卒業生・近藤龍一さんが生徒にお話をしてくれました

  • 東京本校

2021.12.14

『12歳の少年が書いた 量子力学の教科書』そして2021年8月に上梓された『独学する「解析力学」』の著者・近藤龍一さんは、NHK学園高等学校の卒業生です。
進路について徐々に具体的に考え始めた登校コース2年次の生徒に向けて、近藤さんにオンラインでお話をしてもらいました。

 

物理学との出会い、最初の本の出版

僕は、9歳のときにスティーブン・ホーキング博士の著書を読んで、「物理の世界には自分の常識では考えられないことがあって、さらにそれが自然を記述する基礎法則のもとになっている」ということに衝撃を受けました。そして、いろいろな現象の真理を導き出せる物理学を学びたいと思いました。人に説明をするのが好きなので、小学5年生のときには、「自分なりの本を書きたいな」と思うようになりました。
中学入学直前から執筆を始めて中学1年生の9月には完成。でも、出版社にあたっても話を聞いてくれるところはありませんでした。改めて理工系の出版社に絞って原稿を送り、良い反応のあった3社と交渉した結果、条件の良かった出版社と契約することになりました。

 

多くの研究の時間を求めてNHK学園へ

こうして、2017年7月、高校1年生の時にようやく最初の本を出版。その年の冬には、孫正義育英財団(ソフトバンクグループ代表・孫正義氏創設)からメンバーへのオファーをいただき、翌年の夏から活動を支援していただくことになりました。面接では、孫さんや山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所所長)の前で話をしました。
財団の支援により、ハーバード大学の素粒子の実験のインターンプログラムに参加し、さまざまな大学の研究室を訪問したり、京大素粒子論研究室で議論をさせてもらったり、といった機会をいただきました。自分の専門分野やそれに近いところで活躍している方々と交流し、見聞を広めることは重要だと感じます。
より自分の研究の時間を持ちたいという思いから、2018年7月にNHK学園へ転校しました。

 

進路の先の夢、ビジョン、どういう人になりたいか

進路を考えることは、夢や専門分野を決めること。孫さんが財団生に常々おっしゃっていることですが、生涯をかけて登るべき「山」を見つけることが大事です。僕は、さまざまな本の中で「物理学」という自分のめざす山を見つけました。僕たちは、得ようとすれば、人類のあらゆる知識に触れられます。みなさんも、できれば本を通じて、あるいはインターネットを通じてでも、あらゆる分野の中から生涯をかけて自分がめざす山を見つけてください。できるだけ多くの有益な情報を得て、より良い決断をしてほしいと思います。
年齢が若いということはそれだけたくさんの夢、大きな夢を持つことができるということです。失敗や挫折を怖れずに、有意義だと思ったら、挑戦してください。挑戦をしないと失敗もしないけれど、成功もしません。
まず、大まかなものでもよいので「どういう人になりたいか」という大目標を立て、そのための戦術を決めます。その後、この1~2年で何をするのか、ということを計画します。計画通りにいかないことも、もちろんたくさんあるのですが、目標を最初に立てておけば、大元のプランは揺るがないので、短期的なことで一喜一憂する必要がなくなります。

 

「得意」は「好き」には敵わない

「好き」は「楽しい」と同じことですが、「得意」とは違います。例えば、僕は古典の成績は良かったけれど、好きというわけではありません。
究めるべき自分の分野を決めるときに、「得意だから」とか「儲かりそうだから」といった理由だけで決めると、いつか限界がきます。今得意なことが、得意であり続けるという保証はありませんし、好きでやっている人には勝てません。大切なのは、「楽しみ続けられるかどうか」です。
「他人を気にしない」ことも大切です。親や先生に反対されても、自分が好きで楽しいのなら、それは選ぶべきです。そもそも、NHK学園には反対する先生はおられないでしょうが、誰に何を言われても自分の意志を曲げないことが大事です。

 

なぜ高校、大学に行くのか

僕は、高校卒業後にはアメリカの大学に行きたかったのですが、コロナウィルスの感染拡大状況のこともあり、現地に行きにくくなったため、安全面を考慮し、引き続き自分の研究や執筆の時間を確保でき、日本にいながら物理の学位が取れるイギリスの大学に入学しました。自分では大学4年生までで学ぶ物理は学び終えているという認識なのですが、「それでも大学に行く意味は何か」というと、社会に出て将来の夢を達成するための資格が必要だからなのです。
その道の専門家かどうかを判定するのは、専門家以外の人である場合がほとんどです。その分野の学位や(適切な)資格が信用度になるわけです。とびぬけた才能がある場合は別として、多くの人が高校や大学を卒業するのは、世の中で認めてもらうための信用を得るためというのが大きな理由になると思います。

 

「究めたいこと」とそのための「道具」の違い

科学には様々な分野がありますが、大きく「基礎研究」と「応用研究」に大別されます。基礎研究は自然界の真理を追求するもので、一般に物理学、化学、生物学などは基礎研究に分類されます。一方、応用研究は、人間生活の利益に直接貢献することが目的で、工学や医学の一部が当てはまります。
科学、特に物理学を学ぶ際には数学の知識が必須です。僕も数学は学びましたけれども、それは数学が物理学研究における言語のようなものだからで、あくまでも「道具」として必要だからです。
応用研究は基礎研究をもとにして行われますので、工学であれば数学と物理学を、医学であれば生物学と化学を道具にすることになるでしょう。学問の中には、こうした道具(言語的なもの)とそれを用いた研究の関係にあるものがたくさんあります。こうしたことも意識しながら、大学で何を学ぶか、今何を学ぶかを考えるといいと思います。

 

近藤さんの夢

僕自身は、研究が第一ではありますが、教育や執筆も仕事の一つと考えています。それは、「本を書いて、人に説明することが好き」だからということはもちろんなのですが、現代物理の研究は自分の世代だけでは終わらないものがほとんどだからです。つまり、あとの世代に引き継いでいかなければなりません。わからなかった人が正しい理解を得られて、その分野の面白さに気づかせてくれるような本が必要と考えています。どの分野も専門家だけしか知らなければ、いつしか廃れてしまう。だからその分野の知識にアクセスできる人を増やさなければいけない、と感じています。

 

短い時間でしたが、これから進路を決定する後輩たちに向けて伝えたいことを凝縮した濃密なお話でした。近藤さん、ありがとうございました!

近藤さんのインタビューもぜひお読みください。


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