教育理念
「学びたい」という希望を持つ人に寄り添って60年
NHK学園は、学ぶ意欲と高校卒業の意思を持つ人に、放送やインターネットなどの多様なメディアを利用することで、「いつでも、どこでも、だれにでも」学ぶ機会を提供します。よりよい世界を目指す国際目標であるSDGsの17のゴールのひとつ「質の高い教育をみんなに」と同じ理念を開校当初から持ち続けています。
「学びたい」「高校を卒業したい」という意欲と意思を持ち、NHK学園の学習スタイルを理解し、取り組もうという生徒であれば、学習歴や学力は問いません。忘れないでほしいのは、他者を尊重し、多様な価値観を認め合おうという気持ちです。その気持ちがあれば、個性豊かな生徒が集まるこの学校で、多くの学びが得られます。
制服や校則はありません。
生徒自らの学ぶ意欲と個性、自主性を尊重し、のびのびと学習できる機会を提供します。みんなと同じことを求めるのではなく、一人ひとりに柔軟に対応する中で、高校卒業資格にふさわしい基礎学力と社会で生きていくための力を身につけることをめざします。
校長からのあいさつ
「めざすのは未来のじぶん」
「生きる力」という言葉が使われるようになって25年以上がたちました。それ以降、主体的に判断しより良い方法で問題を解決していく資質や能力を養いながら自己教育力を高めていくこと、豊かな人間性を育むことなどが求められる世の中になってきました。これらは人生100年時代を生き抜くためにも必要な力ですね。NHK学園が行ってきた教育はまさに「生きる力」を育むもので、生徒の皆さんが“未来のじぶん”をめざすために主体的に高校生活をおくることができる学習を提供してきました。
NHK学園高等学校はNHKが1962年に設立した日本で最初の広域通信制の学校です。2022年10月に60周年を迎えました。スタンダード、ライフデザイン、登校(東京本校のみ)の3つのコースを設置しています。放送(NHK高校講座)を視聴し、レポート課題を提出し、スクーリングに参加し、オンラインによる支援を効果的に結びつけて、「いつでも、どこでも、だれにでも」学ぶ機会を提供する学校で、皆さんの“未来のじぶん”を創造していくことができる場所です。2024年度からは新学習指導要領実施に合わせて、ネット学習システム(N-gaku Online Space)を改修し、生徒は新たなシステムで学んでいます。
NHK学園の学習の基本は「自学自習」です。NHK高校講座の視聴も、レポートの取り組みも、スクーリングの参加も、NHK学園での学びは自分で選択することから始まります。この自ら選ぶ行動の積み重ねが基礎・基本の学力だけでなく、「生きる力」を養ってくれるのです。
「みつけて夢 かなえて未来」
全日制の高校と比較すると、NHK学園では勉強しながらも自由時間が十分に確保できることが大きなメリットになります。やりたいことや夢を見つけたい、自分自身にじっくり向き合いたい、夢の実現に向けた時間を確保したい、仕事やアルバイトをしながら高卒資格を取得したいなど、一人ひとりのスタイルに合わせることができる点が大きな特徴となっています。1日は24時間ですが、使い方によってはそれ以上の価値がある時間となります。夢のある人はそれをかなえる未来に向けて、まだ夢が定まっていない人は夢を見つけて未来を拓くために、自由な時間の使い方を工夫してみるとよいでしょう。
さらにNHK学園には他の学びの場もあります。生涯学習の通信講座やオープンスクールで好きなことを学び続けることも可能ですし、社会福祉士の養成課程も併設されています。高校卒業後も学び続ける環境が整っています。
NHK学園で、自立して未来を生き抜くための基盤となる力を身につけ、豊かな未来を拓くために、自分のペースで、一歩一歩進んでいきましょう!
NHK学園高等学校 校長
森川 覚
NHK学園高等学校 校長
森川 覚
スクールミッション
NHKと連携し、放送やインターネットなどの多様なメディアを利用することで、
学ぶ意欲と高校卒業の意思を持つ人に、「いつでも、どこでも、だれにでも」学ぶ機会を提供し、
自立して未来を生き抜くための基盤となる力を身につけていく学校
スクールポリシー
グラデュエーションポリシー(育成をめざす資質・能力に関する方針)
私たちは、本校に入学した生徒一人一人に、以下の資質・能力を育んでいきます
- 基礎・基本の学力(知識・技能)と生活習慣、自学自習の学習スタイル
- 自分で考え、選択し、表現できる力(主体的に思考・判断・表現できる力)
- 自分を理解し認めることができる力(自己理解と自己肯定の力)
- 他者を理解し尊重できる力(他者への想像力と共感力、寛容の精神)
- 社会の中で自らの役割を見出し、多様な人々と関わり協同できる力(社会性とコミュニケーション力)
カリキュラムポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)
私たちは、以下の方針に基づいて教育課程を編成します(「学びの内容」)
- 基礎・基本となる学力が身につく科目を中心に編成すること
- 主体的な学びを促し、コミュニケーション力を高めるための学校独自の科目等を設けること
(「総合的な探究の時間」の拡充、メディアリテラシーとコミュニケーションスキル) - 生徒が「やりたいこと」に出会えるよう、その多様なニーズ(多様な選択)に応えられる学びの場を提供すること
- 生徒が自己理解にもとづき積極的に進路を選択、決定できるよう、さまざまな指導機会を設けること
私たちは、以下の点に特に力を入れて教育活動を実施します(「学びの方法」)
- 「自学自習」を実現するために、「NHK 高校講座」視聴、レポート課題、スクーリング、オンライン支援を効果的に結びつけた指導計画を策定・明示して、生徒を指導すること
- 生徒の自由を尊重しつつ、オンライン学習システムも活用して、生徒一人一人の学習活動を的確に把握し、対面やオンラインでの「声かけ」と「見守り」を通じて学習継続を支援すること
- 日常のレポート課題、年度途中の学習効果測定、さらに定期試験を通じて、学習意欲を引き出す適切な評価をすること
- 生徒を取り巻く環境に目を配り、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携して、チームによる学習支援を推進すること
私たちは、以下の点に力を入れて教育方法の改善を図ります(「新たな学びの開発」)
- ICTの更なる活用や NHK の番組制作者との更なる連携によって、個別最適な学習指導・支援のための新たな方法を開発すること(学習ログの活用など)
- 広域通信制ならではの全国の生徒がつながることができる教科指導や特別活動の新たな形を開発すること
アドミッションポリシー(入学者の受け入れに関する方針)
私たちは、以下の内容を満たした生徒といっしょに学んでいきます
- 学びたい、高校を卒業したいという意欲と意思があること
- 放送やネットを活用した本校の自学自習の学習の形を十分に理解し、それに取り組む意思があること
- 他者を尊重し、多様な価値観を認め合おうという気持ちがあること
沿革
NHK学園は、1962年に日本ではじめて放送を利用して学習を進める広域の通信制高校として、NHKにより創立され、2022年に60周年を迎えました。
1953 |
NHKラジオ第2放送で「通信高校講座」放送開始 |
---|---|
1960 |
NHK教育テレビ(現Eテレ)で「通信高校講座」放送開始 |
1962 |
学校法人日本放送協会学園(NHK学園)の設置認可される |
1963 |
東京・国立市に日本放送協会学園高等学校(NHK学園高等学校)開校、放送利用を前提とした日本最初の広域通信制高等学校となる |
1988 |
高等学校専攻科・社会福祉コース開設 |
1989 |
通信制高校が3年間で卒業可能に |
1999 |
東京本校の新校舎完成 |
2003 |
ネット学習の本格運用開始 |
2004 |
文部科学省の「研究開発学校」に指定され、「Do it コース(現 ライフデザインコース)」を開設 |
2008 |
文部科学大臣により「不登校特例校」に指定 |
2009 |
「e コース(現 スタンダードコース)」を開設 |
2011 |
海外からの生徒の入学の本格的受け入れ開始 |
2015 |
「登校コース」を開設 |
2016 |
「総合教育相談・学習支援センター(現 総合教育相談センター)」を開設 |
2018 |
校名をNHK学園高等学校に改称し、新校歌完成 |
2022 |
創立60周年を迎える |
NHK学園高等学校 校歌
「最高のぼくら」
2018年4月、新しいNHK学園の校歌が完成しました。作詞家松本隆さんが紫綬褒章受賞後最初にかいてくださったのが、この校歌です。
NHK学園卒業生で歌手・女優として活躍している田村芽実さんに歌っていただきました。
作詞 松本隆:数々のアーティストのヒット曲を生み出した作詞家、ミュージシャン。2017年紫綬褒章を受賞。
作曲 秦基博:TVCMやドラマを始め、NHKの番組にも楽曲を提供しているシンガーソングライター。