NHK学園ならではの科目

メディア・リテラシー

一人一端末時代の「現代を生きるための基礎知識」として情報を見極め、発信する力を養う

「メディア・リテラシー」は、誰もが情報の「受け手」だけではなく、「送り手」となりうる現代を生徒が生きるために必要なメディアの知識を身につけるための科目です。
フェイクニュースなどを例に「受け手」として情報を見極めるための知識を学ぶのはもちろん、著作権や、文・写真・統計といった情報の構成要素や編集についても学び、情報の「送り手」として必要な知識も身につけます。小・中学校でメディアとの付き合い方を学んだことのある生徒も、より深く学ぶことのできる内容です。

メディア・リテラシーってなに?

「メディア・リテラシー」とは、メディアの意味と特性を理解した上で、メディアの在り方を考え、行動していくことができる能力のこと。NHK学園の「メディア・リテラシー」科目では、情報の「受け手」・「送り手」としてのメディアの基礎知識を身につけます。

情報科目とは違うの?

2022年度から始まった高等学校の新教育課程では「情報Ⅰ」が新しく設置されました。情報社会を生きていく子どもたちのために必要不可欠な知識として設置された注目科目です。
「情報Ⅰ」ではプログラミングや情報デザイン、ネットワークデータといった情報を用いた問題解決能力を身につけます。一方、「メディア・リテラシー」では情報を吟味する能力、そして表現・発信する能力を養うことが目的です。高校時代は本格的にメディア参画の機会が増加する時期であることから、カリキュラムに組み込むことにしたのです。

学習方法

教材

中橋雄先生編著、NHK学園編のテキスト(NHK出版発行)で学びます。

学習は、問題提起動画を見たあとに、まず今自分の持っている知識や理解をもとにレポート課題に取り組み、その後、「アッ!とメディア~ @media~」の動画や解説動画を視聴して、再度レポート課題に取り組むことで、その単元で身につけてほしい知識や視点を自分のものにしていくように構成されています。
レポートも、具体的な問題を提示して、「受け手」として、また「送り手」として何に気を付けたらいいかを考えさせる内容になっています。レポートの中では、他の生徒の回答から、さまざまな意見をピックアップして生徒に共有。それを踏まえて、自分はどう考えるかをもう一度問い直す機会を設けています。
一人ひとりの生徒の考えを受け止めながら指導する、添削指導が大きな役割を担っています。「アッ!とメディア @media~」監修者の中橋雄先生を中心に、以下の先生方に指導をいただいています。

指導講師紹介

監修

中橋 雄 なかはし ゆう

日本大学文理学部教授
関西大学大学院総合情報学研究科博士課程後期課程修了・博士(情報学)。福山大学、武蔵大学などでの勤務を経て2021年度より現職。専門分野は教育方法学、教育工学、メディア・リテラシー論。主な著作に単著『【改訂版】メディア・リテラシー論—ソーシャルメディア時代のメディア教育』(北樹出版)、編著『メディア・リテラシーの教育論—知の継承と探究への誘い』(北大路書房)などがある。

指導講師・テキスト執筆者
(五十音順)

宇治橋 祐之 うじはし ゆうじ

日本放送協会放送文化研究所主任研究員 修士(学術)。NHKのディレクターを経て現職。専門はメディア教育,メディア・リテラシー。主な制作番組に学校放送番組や教育情報番組、教育ドキュメンタリー及びNHK for Schoolなどのデジタル教材。主な著作に編著『これからのメディアとメディア研究を考える 放送メディア研究15』(NHK出版)、共著『メディア・リテラシーの教育論—知の継承と探究への誘い』(北大路書房)などがある。

宇田川 敦史 うだがわ あつし

武蔵大学社会学部准教授
東京大学大学院学際情報学府博士後期課程修了・博士(学際情報学)。複数のIT企業勤務を経て2022年度より現職。専門分野はメディア論、メディア・リテラシー。主な著作に共著『プラットフォーム資本主義を解読する:スマートフォンからみえてくる現代社会』(ナカニシヤ出版)、共著『ソーシャルメディア・スタディーズ』(北樹出版)などがある。

後藤 心平 ごとう しんぺい

広島経済大学メディアビジネス学部准教授
東北大学大学院情報科学研究科博士課程後期所定単位修得後退学・博士(情報科学)。放送局勤務を経て2021年度より現職。専門分野は、メディア論、メディア・リテラシー論、ジャーナリズム論、教育工学など。主な著作に編著『大人からの進化術:九州育ちが強い理由』(九州大学出版会)などがある。

鶴田 利郎 つるた としろう

国際医療福祉大学小田原保健医療学部専任講師
早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了・博士(人間科学)。早稲田大学、首都大学東京での勤務を経て2018年度より現職。専門分野は教育方法学、教育工学。主な著作に共著『メディア・リテラシーの教育論—知の継承と探究への誘い』(北大路書房)、共著『Tackling Cyberbullying and Related Problems: Innovative Usage of Games, Apps and Manga』(Routledge)などがある。

村井 明日香 むらい あすか

昭和女子大学人間社会学部准教授
東北大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了・博士(情報科学)。テレビ番組のディレクターを経て2023年度より現職。専門分野はメディア論、メディア・リテラシー論、情報リテラシー論。主な演出番組に「ザ・ノンフィクション~青春YELL!花の中学生応援団3000日」(フジテレビ)、「テレメンタリー2013 もう一つの学校『はじめ塾』」(テレビ朝日)などがある。

森本 洋介 もりもと ようすけ

弘前大学教育学部准教授
京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学・博士(教育学)。専門分野は、教育方法学、比較教育学。主な著作に単著『メディア・リテラシー教育における「批判的」な思考力の育成』(東信堂)、共著『メディア・リテラシーの教育論―知の継承と探究への誘い―』(北大路書房)、共著『メディアリテラシー 吟味思考を育む』(時事通信社)などがある。

満足度97%!

多くの生徒が
メディア・リテラシーの
大切さを実感しています。

生徒の声

  • 今の時代、インターネットを使うことがとても多いため、どの授業よりも一番身近な知識が学べた。
  • 一般的な高校の科目では学ばない重要なことを学べたと思う。
  • 改めて自分の今までの行動を見直すことのできるきっかけになった。
  • いろんな人の意見も聞けて多角的に物事を考えられるようになった。
  • AIの急速な発展などで情報を見極める力はより重要になってくると思うし、日々メディアに対する考え方をアップデートしなければいけないと感じる。
  • 送り手側になるときに、相手に合わせて言葉を選んだり、意図を伝えるためにはどうしたら良いかをより考えるようになった。
  • 自分にはない考えに触れて、考え方が広まった。驚くこともあったし、否定的になる時もあって、とてもいい機会だったと思う。
  • 他の人の意見には自分では考えつかないようなものもあって、そんな見方もあるんだと感心した事もあり貴重だった。自分の偏った知識にこういう見方もあるんだよと教えてくれた。

学校関係の方など、
この科目をより詳しくお知りになりたい方へ

メディア・リテラシー科目につきまして、
授業や教員の研修などに活用したいといったご要望をお寄せいただいております。
ご興味がありましたら、下記までご相談ください。

問い合わせ先

学校外学修科目「メディア・リテラシー」係

042-572-3151(代)平日 9:30〜12:00, 13:00〜17:30