尾木ママ一問一答!

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2021.10.14

N学特別講座での参加者と尾木ママのQ&Aをご紹介します

<登校コース1年生からの質問>

タブレットを配布しても30%しかオンライン学習の実施ができていない、というお話がありました。先生の数が減っているという話も聞いたことがあります。日本の義務教育、高校教育に足りないと思うことは何ですか。

 

<尾木ママの答え>

決定的に足りないのはお金です。先進国の中で、日本は教育予算のパーセンテージが下から2番目です。先生1人雇うのに最低でも年間700万円が必要。10人で7,000万円。地方の小中学校ではなかなか賄えません。国が予算をどんとつぎ込んでくれなければ。
分散登校によって授業に遅れが生じています。密にならないように教室と廊下の壁を取り払うという案もありましたが、それにしてもお金が必要です。せめて国際平均ぐらいにしてほしいというのが僕からの願いです。僕が中学校の教員になりたての頃は世界で上から5番目でした。日本は教育を大切にしている国だということがプライドでした。

学校の先生は今大変です。消毒などの負担、授業では討論ができない、などコロナ禍ならではの負担や制約が増えています。保育園や幼稚園、小学校低学年を見るときは、「触れ合うこと」が仕事。でも今、保育園では保育士さんがマスクをしながら面倒を見ているので、表情が見えません。直接的なコミュニケーションが減ったため、反応の薄い子が増えているという心配があります。

学童保育も大変です。とにかく人を増やさなければならない。今年度の始まりの時点で、全国で500人の先生が足りなかったんです。教育熱心な国は教員の募集倍率は10倍を切ったことがないんです。でも、日本ではひどい県では、教員試験を受けたらだれでも受かってしまう、という県も出てきています。本当に深刻な状況です。
でも、そんな中でも僕のところには、高校生でも「高校の先生になりたい」という子からの連絡が入ってきます。超うれしいですよね。