尾木ママ講演会より④ 国際社会で広がる個別教育

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2021.09.24

国際社会の潮流は「個別学習」

日本は一斉主義の授業が一般的ですけれども、国際社会では個別教育が常識となっています。
国語の時間の音読の得手不得手や、運動会で一斉に走って順位をつけることで教室の中で序列がついてしまう、苦手なことを他人と比較して落ち込むことになります。
日本では6歳で小学校1年生ですね。オランダは4歳、韓国は5歳で入学します。入学も、誕生月の次の月から、というようにばらばらです。そうすると、中間テストとか期末テストとかできないんですよ。頭の回転の速い子は「なるほど、なるほど」と理解してどんどん先に進みます。2倍時間のかかる子だっています。A君は1年で終えたテキストをB君は2年かけてやる、ということが大いにあっていいわけです。

日本だと、それは「留年だ」ということになって、なんだか落ちこぼれたみたいな言い方になるんですけれど、それは違います。「しっかりとマスターしていく」ということで全然おかしくないんです。

そういう話をしていたら、パックンことパトリック・ハーランさんは、「僕は幼稚園を1年留年しました」って言うんです。彼の場合は、お友だちと共同作業をするとか、そういうことがどうもうまくいかないので、もう1年卒園は待ちましょう、と言われたそうです。
これは考え方によっては、とてもありがたいことです。国や自治体が経費がかかっても、その子の成長に責任を持とうとして、そういうやり方を採用するというのですから。

個別学習なら全員が伸びる

そして、個別学習のいいところは、学力はもちろん、生活面、お友だちとの付き合い方など全員が伸びていくところです。一斉教育では、必ずこぼれてしまう子が出てくる、そうではなくて一人ひとりに合わせて進んでいこう、ということです。
オランダでイエナプランの学校を見学に行きましたが、同じ教室にいても、それぞれ違うページを開いて勉強していました。

僕の専門の教育学の観点からすると、高校受験なんてやっていたら国がだめになる。高校受験があるのは世界でも、日本と中国ぐらいです。日本もだんだん劣化してきていると感じます。

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