NHKアートのみなさんによるSDGs講座

  • 全国

2023.11.06

つくる・みせる・すてる の取り組み紹介

11月2日に、NHKの番組の美術部門を支えるNHKアートから岩倉暢子さん、榧野雄さん、小田貴政さん、 小杉由紀さんの4名の方にいらしていただき、SDGsに関わる取り組み、特に、環境への負荷を減らすための取り組みについてお話を聞きました。「家庭総合」の学習の中でも取り上げたSDGs。企業としての具体的な取り組みを知ることで、より身近に感じてほしい、と企画したイベントです。

NHKアートの仕事は、出演者の衣装やメイク、スタジオのセット、そして番組のロゴなど、テレビ番組の画面に映るほとんどすべてのものを美術面で支えています。そのほかにも、展覧会などのイベントやNHKホールのようなホールの運営も行っています。

 

「あさイチ」のセットにはSDGS素材を多用!

サスティナブル製品の見本がずらり!

サスティナブル製品の見本がずらり!

みなさん、「アップサイクル」って知っていますか。アップサイクルとは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、「創造的再利用」とも呼ばれます。

NHKの朝の番組「あさイチ」では、セットの一部にアップサイクル製品を使用しています。華丸さんや大吉さんの前にあるテーブルの天板などは、廃棄されたプラスチックや衣料をアップサイクルした製品なのだそうです!

NHKアートでは、美術制作のなかで環境負荷を下げるための取り組みを進めています。そんなさまざまな取り組みを紹介していただきました。

 

サスティナブルな素材ってなんだろう

SDGsはサスティナブル(持続可能)な社会を実現するために掲げられた目標です。NHKアートでアップサイクル製品以外に利用しているサスティナブルな素材を紹介してもらいました。

 

<ラバー素材>
例として見せていただいたのはドラマ等などで使う岩。従来は、FRPという強化プラスチックを使用していましたが、ラバー素材に変更したそうです。軽くて組み立てやすいから女性や高齢のスタッフでも扱いやすいうえ、かさばらないので運搬に使用するトラックの台数を抑えられる、といいことづくしの素材です。

 

<マイクロプラスチックフリーのファンデーション>
小さい粒になったプラスチックが海を漂い、海洋生物や人間にも悪影響を及ぼす「海洋プラスチック問題」。高校講座の中でも学びました。実は、NHKオリジナルのファンデーションがあるそうで、マイクロプラスチックフリーのものを開発中だそうです。

 

<エコな説明ボード>
情報番組などでよく見かける説明用のボード。従来、石油由来製品で作られていたものを環境負荷の少ない紙素材に変更。古紙として回収し、リサイクルが可能になりました。

 

<ごみの分別を徹底してリサイクル率アップ>
以前は「木材」と「木材以外」でしか分けていなかった廃棄物を素材ごとに細かく分別。リサイクル率が大幅アップしたそうです。

<「捨てない」という選択肢も>
セットの一部はリユース。また、細かく分けることでマテリアルリサイクル率向上という利点もあり、子ども向け工作ワークショップの「素材」としてアップサイクルにつながっているそうです。

 

即席<進路相談会>も開催?!

お仕事紹介の中では「テレビ美術業界を担う若い人材が不足している」という話があり、「絵を描くことや、ものづくりが好きという方は、進路として考えてみてね!」といった呼びかけもありました。お話のあとの質問タイムには、NHKアートやテレビ美術業界についての質問が相次ぎ、進路相談会さながらのやり取りも。
生徒たちの反応をどんと受け止めて、さまざまなお話を聞かせてくださったNHKアートのみなさん、本当にありがとうございました!

アップサイクル素材の触り心地は?

アップサイクル素材の触り心地は?

講師使用のテーブルも実は紙製!

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個別に進路相談もさせていただきました!

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