オンライン特別活動 インスパイア・ハイ 第3回

  • 全国

2023.10.08

テーマ「ホームレス支援団体代表者と考える、他者をどう理解する?」

今年度3回目のオンライン特別活動 インスパイア・ハイが9月23日に行われ、海外も含め全国から約240名の生徒が参加しました。

★インスパイア・ハイとは・・・★
それぞれのフィールドで活躍する大人の話を聞いて、それをヒントに自分の軸を作っていくオンラインプログラム。
ネット上で自分の意見を発信。感じたこと、考えたこと、疑問に思ったことを共有しながら参加します。

 

ホームレス団体を起業した川口さんのお話

今回のテーマは他者をどう理解するか。19歳でホームレス支援団体「Homedoor」を起業した川口加奈さんのお話を聞きました。

14歳の時にホームレス状態の人が多い地域で見た風景から、炊き出しボランティアに参加したことがきっかけで起業した川口さん。はじめはホームレス状態にある人に対して、怠けているからホームレスになったんじゃないか、自己責任なんじゃないかという偏見があったそうです。しかし、実際に当事者と関わり、ホームレスになるには自己責任とは言えないそれなりの理由があること、社会の問題があるということに気づき、偏見がなくなりました。そして、やり直したいと思った時にやり直せる環境作りが大切だと感じ、路上生活をしている人への情報提供、宿泊・仕事の機会の提供など、ホームレス状態から抜け出せるためのステップを作り上げる活動を始めたそうです。

※ホームレスとは、「決まった住む家がない状態」を指す言葉で特定の人を表す言葉ではありません。今回はこのような方々をホームレス状態にある人という表現で考えていきました。

川口さんからのメッセージ

*日本は、失敗した人、決まったレールを外れてしまった人へのバッシングが多い社会。人生経験だよねというようなおおらかな気持ちを持てるようになったら、失敗が許される社会になるのではないか。

知らないことが偏見につながってしまう可能性があるので、ある程度の正しい知識と自分の見解を持ち、「知って終わり」ではなく、「知ったからこそ何ができるか」を常に自問自答していってほしい。

他者を理解できないという前提をもつことが大事
わかった気になって「あなたはこうだから」と一方的に思い込むことから、すれ違いや差別は始まってしまう。どれだけ親しい仲にあっても、その人の感じるように感じることはできないという前提を心において、相手を思いやり、知ろうとする姿勢を持つことを忘れない。

 

参加生徒の声

川口さんのお話を伺い、「偏見をなくすためにできることは?」「思い込みをしてしまった経験を思い出す」というディスカッションを行いました。オンライン上でたくさんの声が活発に投稿されました。

「偏見をなくすたためできることは?」に対して、ある生徒からは、「『ふつうは…』っていうけれども、『ふつうは』って言っている時点で偏見が存在していると感じる」という意見が。これには進行していた先生たちもおおいに共感しました。

「思い込みをしてしまった経験を思い出す」についてもさまざまな意見や気づきが投稿されました。

*外国人に対する数々の偏見があったが、友達ができて偏見がなくなった

*クラスメイトにまったく話さない人がいて勝手に嫌われていると思い込んでいたが、遠足の時に話してみてそうではないとわかり、話しかける勇気をもつことが大事だと思った

 

 

 

インスパイア・ハイ終了後には【お試し企画】として、”アフタートーク”の時間が設けられました。本編の進行役に加え、本編では<天の声>として裏方を担当していた教員も顔を出し、感想やアンケート回答の紹介のほか、今後のインスパイア・ハイへのリクエストの呼びかけなど、リラックスした雰囲気のなか、自由なおしゃべりの時間を楽しみました。

3回目の開催ということで、運営側もまた参加する生徒もチャットなどの利用方法に慣れ、多くの意見を聞くことができるインスパイア・ハイの醍醐味を感じることができるようになってきました。

次回のテーマは「K-POPダンストレーナーと考える チームワークをどうつくる?」です。どんな盛り上がりを見せるか今から楽しみです。