JICA国際協力エッセイコンテストで審査員特別賞受賞 大友理緒さん

  • 東北

2021.02.09

杜陵協力校2年次生・大友理緒さん おめでとう!

杜陵協力校2年次在学の大友理緒さんが、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストの高校生の部で審査員特別賞を受賞しました。

高校生の部は今回で59回を数える歴史あるエッセイコンテストです。高校生の部への応募は22,762点。大友さんのエッセイはその中から最優秀賞、優秀賞に次ぐ作品として選ばれました。

幼い頃から携わってきた貧しい国々の子どもたちへ翻訳した絵本を送る活動を通じて伝えたい、大友さんの気持ちが詰まったエッセイです。

大友さんは、岩手読書感想文コンクール高校の部最優秀賞受賞に続く快挙です!お母様の読み聞かせから始まった大友さんの本への、読書への想いを感じます。

コンテストの詳細は、JICAのホームページ上でご確認いただけます。

※学校名は応募時に在籍していた学校の名称になっています。

 

大友さんの受賞作品の全文はこちら↓↓

 

「絵本でつながる私と世界」 大友 理緒

 私は物心ついた頃から絵本に囲まれて育った。色彩豊かな挿絵、母の口から発せられる美しい言葉のリズム、そして絵本一つ一つが持つ世界観に夢中になった。すぐに私は絵本が大好きになった。そして保育園年中の頃から母と一緒に、絵本をアジアの貧しい国々に送る活動に参加するようになった。日本で出版された絵本に翻訳したシールを貼り、支援を必要としている国の図書館や学校に送るという活動だ。
 始めは自分で絵本を作っている感覚を覚え、それがたまらなく嬉しく、楽しかっただけだったが、小学生になると、自分が行っているこの活動が、自分以外の誰かのためになっているのだという意識が芽生えてきた。この活動で私は世界とつながっていると思い始めた。
 絵本には、字が読めなくても、挿絵を見て想像しながら読むことができるという魅力がある。たとえ満足に教育を受けられない子どもたちでも、絵本を読みながら想像力を働かせ、夢を思い描きながら勉強し、読み書きを習得する手助けにもなる。また、絵本を通じて子どもたちが集う場所は、仮にそこにいる時だけであったとしても、子どもたちを児童労働や搾取、虐待から守る役割を担っていると私は考えた。
 中学、高校になると、この活動への情熱は増していき、日本で絵本を作るだけではなく、現地に行って直接的な支援を自分の目で確かめたいと強く思うようになった。この活動を始めて十二年が経つうちに、自分の視野が大きく広がり、この活動の意義の深いところまで理解できるようになったことで、私の意識は変化した。
 「絵本を届ける活動を通して、人としてもっと成長したい。」と思った私は、フィリピンで行われている絵本の読み聞かせボランティアに、今年の夏、参加することを決意した。フィリピンでは幼稚園から高校まで義務教育となっており、公立学校は授業料が無料だ。しかし、文具や制服、お弁当などの出費が続き、学校に入学してもドロップアウトしてしまう子どもが多い。中退者の割合は、小学校では三十パーセント、中学校では五十パーセントにも上る。学校に通うことのできない子どもたちの役に少しでも立ちたいと思ったが、一人で日本から出て、ボランティアをするのは初めてのことだ。不安と期待でいっぱいだった。私にとって、とても大きな決断だった。
 いよいよという時、新型コロナウィルスの世界的流行により、渡航を断念せざるを得なくなった。現地に行けなくなり、意気消沈していた私に母がかけてくれた「誰かのために何かしたいという気持ちがあれば、どこにいても何だってできるよ。」という言葉に背中を押されて、日本にいても自分にできることはないだろうかと模索し始めた。そしてこの活動を同世代の高校生に広めようと決めた。この活動をもっとたくさんの若い人に知ってもらいたい、フィリピンの子どもたちのために何か行動したいと思ったからだ。現在は絵本の翻訳制作会を開くために数名のクラスメイトと準備をしている。
 私は絵本を届ける活動を続けてきて気付いたことがある。それは、子どもたちの心を育てることの大切さだ。学校の授業を受ければ知識を身に付けることができる。しかし知識があっても、その知識を誰かのために、未来をより良くするために使うことができなければ意味がない。SDGsの取り組みもあり、近年、発展途上国での学校建設や教師の育成、教育制度の整備が進んでいる。それはとても素晴らしいと思うが、知識を得ることと合わせて、豊かな心、思いやりや共感する力を育てることも、将来その地域、国を担っていく子どもたちに必要だ。そして絵本には、それらの手助けになる力があると私は信じている。今、自分にできることは小さいが、これから先も絵本を届ける活動を続けていくことで、私自身や子どもたちの将来につなげていきたい。


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