11/1 ❝福岡ハカセ❞がN学へ!①~特別講座~
- 東京本校
2019.11.08
11/1 ❝福岡ハカセ❞がN学へ!①
以前から予告していました分子生物学者の福岡伸一さんによる『N学特別講座』が、11月1日(金)ついにNHK学園高等学校東京本校の体育館で実現しました。
分子生物学者というと、とても難しいことを研究する人というイメージで、事実その通りなのですが、一方で福岡さんは自分のことを“福岡ハカセ”と呼んでしまう楽しい人でもあります。しかも、難しい生命科学の世界を専門外の人々に分かりやすく語ってくれる人として、メディアからも引っ張りだこの存在です。
この日、福岡さんは、登校コース生をはじめとする生徒さんやNHK学園の生涯学習講座を受講する成人の方々、教職員など100人を超える聴衆を前に、予定時間を大幅に超えて、熱く語ってくれました。
テーマは、「生命を捉えなおす~動的平衡の視点から~」という固いものでしたが、全く心配はいりませんでした。実は福岡さん、N学が採用している国語総合の教科書に『ルリボシカミキリの青』という作品が掲載されていて、生徒のみなさんにはおなじみの存在です。登壇された福岡さんのお話は、『ルリボシカミキリの青』をベースに、ご自身の人生と科学の結びつきや若い世代への励ましなど、本人が準備された映像を交えて展開されてゆきました。
テーマの中心である生命の捉え方については、「生物がものを食べて排泄していく過程と、自動車がガソリンを入れて排気ガスを出す過程とはどこが違うのか?」という問いかけからはじめ、福岡さんの考え方のキーである“動的平衡”をやさしく解説してくださいました。お話は、さらの福岡さんが大好きなオランダの画家フェルメールにも及びました。締めくくりは、「気が遠くなるほど時間もお金もかかる研究を持続するモチベーションは?」という生徒さんの質問に「未知のものを発見する可能性が自分にあると信じることです」というものでした。
最後に、代表の生徒さんが福岡さんに花束を贈呈し、今年の『N学特別講座』は、大きな拍手のうちに幕を閉じました。
生徒さんの感想をいくつかご紹介します。
「『ルリボシカミキリの青』に沿って話されていたことによって、聞きやすくおもしろかったです。自分でも何か好きなものを作ろうと思いました」
「本当に虫が好きだったんだなと思いました。自分が何かを最初に発見するかもしれないという気持ちはなんとなくわかる気がします」
「ただの昆虫好きの少年から、なぜかフェルメールについての話になっていったのが面白かった。研究のためにたくさんの苦労とかお金が動いていて、驚きました」
「動的平衡のお話やフェルメールについてのお話など、本当にそれらが好きで追い続けてきたからできることだなと思い、何かを好きで追い続けるその姿勢を尊敬します。私もそのような大人になりたいと思います」
福岡さんのお話の概要は、改めてお伝えする予定です。