東大卒の卒業生が受験に向けた勉強法を伝授!
2023.07.22
在校生向けの進路イベント<合同進路説明会>で講演

NHK学園スタンダードコース卒業生の神田直樹さんが、7月7日に行われたNHK学園の進路イベント「合同進路説明会」でお話をしてくれました。
神田さんはNHK学園卒業後、東京大学法学部に進学、卒業。今年、教育に関わる事業を行うため起業しました。
自身も自学自習で東京大学への合格を勝ち取った神田さんの「一見非合理だけど実は理にかなっている学習法」の一部を紹介します。
東大に行くためにNHK学園を選んだワケ
僕は中学生のときに東京大学に進学を決意しました。そして、そのためには通信制高校に行くのが一番いいと考えてNHK学園に入学しました。実際に、受験勉強をしながらも、1日5時間野球をしたり、ドイツ語もできるようになったし、哲学にも詳しくなったし、アイドルの追っかけもしていました。すごく充実した高校生活だったと思います。
東大の入学者は毎年約3000人。進学校でガリガリ勉強してきた人がたくさんいます。彼らのアイデンティティは「勉強ができること」。だけど、そのアイデンティティは東大に入学するとともに消滅します。周囲は勉強できる人ばかりですからね。
高校時代に勉強しかしていないと、何の特徴も、自分を肯定する材料もなくなってしまうわけです。僕はNHK学園に入学して、進学の勉強をしながらも、さっき挙げたような自分を特徴づけること、自分を形成するさまざまなことに投じる充分な時間を得ることができました。
<戦略>で勝てるようになれ
東大合格者3000人。そのうちの上位300人は、いつでも受かる本当に頭のいい人たちです。誰でもなれるわけではない。また、下位300人は「運」で受かった人たちです。今回はたまたま合格したけれども、違う問題で、違うタイミングで受験したら不合格となる層です。この下位300人に入るのはおすすめしません。運を天に任せた状態で危ういですよね。
皆さんにめざしてもらいたいのは、上下各300人を除いた2400人の「戦略」で勝てる層になることです。
大切なのは自分の気持ちに正直になること。自分の気持ちを無視してやると苦しい。でも、苦しむのはもったいないと思います。自分の気持ちに正直になりながら、勉強がはかどる「しくみ」を作るのがカギです。
例えば、勉強中に眠くなること、ありますよね?普通は「休憩を取るといい」と言われることが多いと思います。僕なら、もし、今取り組んでいる勉強に飽きているのなら、別の勉強に切り替える。休憩をすると休憩から戻らなくなる心配があるので休憩は入れません。
こうした、一見して非合理的だけれど実は理にかなっている戦略を立てて、受験勉強に取り組むことをおすすめします。
僕にとって良かった勉強法
ここで、僕にとって良かった勉強法を紹介します。みんなにはそれぞれにとって良い勉強法があると思いますので、自分で考えて試してみてください。
1.勉強時間を1日30分にする
僕は勉強が嫌いなので、短い時間でより多くのことができるようになりたいと思いました。もし、30分で8時間分の勉強ができるのであれば、16倍できるということになります。まず勉強時間を短くして、短い時間で結果が出る勉強法を体得したら、その勉強法を続けていけば、より濃密な勉強ができるというわけです。
2.休憩時間を0にする
高校3年生のときは1日10時間ぶっ通しで勉強していました。さきほども言ったように休憩を入れると戻れなくなるからです。「疲れたな」と感じるとき、脳は疲れているのではなく飽きていることが多いんです。そこで僕が発明したのが「CM勉強法」。数学の勉強の途中で、5分違うことをやる。単語とか世界史とかやってましたね。
3.ペンを放り投げる
脳が飽きているのか、本当に疲れているのか、という話をしましたが、10時間ずっと座りっぱなしでいると体が疲れるのは事実です。でも、書いて勉強しようとすると座らざるを得ない。だから、僕は書いて勉強するのをやめました。
「書く」よりも「聞く」ほうが4倍速く、「聞く」よりも「読む」ほうが4倍速いんです。読んで勉強すれば、書いて勉強するより16倍速いということです。ペンは敵です。
4.高校に通わない
全日制の高校に通っていると時間を長くとられます。これは、逆転合格を目指すのに致命的です。その点、NHK学園のように登校が少なく、自分で自分の時間の使い方を決められる高校に通えば、いろいろ試す時間も、戦略を考える時間も持てます。全日制の、特に進学校に入学すると、受験で合格するための戦略を押し付けられますよね?でも、NHK学園なら戦略を押し付けられることもなく、1日30分勉強するのか、もっと時間を取るか、全て自分で決められるわけです。
非合理的なことをやる時間で自分を試しながら、自分にとって最も良い勉強方法を見つけて、合格を勝ち取ってください。
神田さんの東大受験のお話や大学生時代について語ってもらったインタビューも、ぜひお読みください。