オンライン特別活動 「言葉ってなんだろう?」

  • 全国

2025.06.03

今回のMC 寺岡先生と加嶋先生

今回のMC 寺岡先生と加嶋先生

2025年1回目 インスパイア・ハイ

5月26日(月)に今年度1回目のオンライン特別活動「インスパイア・ハイ」が行われ、340名を超える大勢の生徒の参加がありました。

NHK学園で定期的に開催しているオンライン特別活動「Inspire High(=インスパイアハイ)」は、さまざまな立場・職業、専門分野を持つ人のインタビューを聞き、チャットなどを通じて、他の参加者の意見や考え方を知り、自分について、生き方について、そして社会が抱える問題について、より深く考えるオンライン特別活動です。「対面ではなかなか自分の意見を言葉にすることが苦手でも、オンラインやチャットだからこそ、素直な意見が言える」「どこからでも参加できるので気軽」といった声も多く、毎回、国内外さまざまな場所から200人、300人を超える参加がある人気の特別活動です。今年度も6回開催が発表されています。

 

詩人 谷川俊太郎と考える「言葉ってなんだろう?」

今回のテーマは「言葉ってなんだろう?」。詩人の谷川俊太郎さんは、詩人・翻訳家・絵本作家・脚本家と多彩な顔をもち、太平洋戦争後の現代日本を代表する国民的詩人と評されています。谷川さんの詩は国語の教科書にも載っているので、目にしたことがある方は多いと思います。詩のほかにもアニメーション「鉄腕アトム」や「ハウルの動く城」の主題歌の作詞や、「スイミー」や「ピーナッツ」の翻訳など、言葉に関する仕事をたくさん手がけています。惜しまれながら昨年11月にご逝去された谷川さんの生前インタビュー内で、本人の詩の朗読や、さまざまな質問に答えていただきました。

まずは参加者で練習をかねた投票タイム。「ヤバいという言葉を聞いて連想するイメージは?ポジティブな表現として使う?ネガティブな表現で使う?」この質問に、参加者が次々にチャットに書き込みし、回答は即時にグラフで確認できます。結果、全体の7割が「ネガティブな時に使うイメージ」であると回答でした。もう少し拮抗するか、あるいはポジティブな表現として使用する回答が多いかもと予想していた本日のMCの寺岡先生・加嶋先生は少し驚いていました。

 

<言葉を操る詩人 谷川さんの言葉を聞く>

谷川さんへのインタビュー動画視聴です。詩人になったきっかけについてお聞きしたところ、まずは生活のためだったという意外な答えが返ってきました。大学への進学は断念し、生活のために身を立てる方法を考えた時に、真剣にずっと書いてきた詩に思い至ったそうです。文(言葉)で生きていくという大きな決意は特になく、続けているうちにだんだん収入が増えてきたと語り、21才の時にてがけたデビュー作を、ご本人に朗読していただきました。

そして今回は谷川さんのお話を聞くだけではなく、事前に募集したたくさんの質問に答えてもらったり、詩の書き方についても教えてもらいました。

「夢をみつけられない」という質問に対しては「自分が一番好きなものをずっと追っかけていくとよいのでは」。また「感性はどのように磨いたらいいですか?」という質問には「一生懸命で生きていれば自然に感性は磨かれると思うよ」といった、谷川さんらしいまっすぐな言葉でひとつひとつ答え、「自分というものにこだわり過ぎず、素直に裸の自分をだすこと」だと、谷川さんは語りかけてくださいました。

 

 

みんなの意見を聞いてみよう!ディスカッションタイム

「好きを伝えるとき、言葉でどう表現しますか?」

例えば「好き」と伝えるかわりに「大切」「大事」「もっとそばにいたい」・・・チャットに書き込まれていくさまざまな言葉を紹介するMCも楽しそうです。

続いて、再び動画の続きを視聴し、谷川さんに「詩の作り方」を教えていただきました。

そして取り上げた題材が、文章や詩の各行の先頭または末尾の文字をつなげると、ある語句になるという言葉遊び「アクロスティック」まずは即興で谷川さんに「僕のアクロスティック」を作っていただきました。

「た」だの

「に」んげん

「か」くのがしごと

「わ」わらうのがすき

 

 

アウトプット 自分自身のアクロスティックを作ってみよう

最後に「自己紹介をアクロスティックを使って考えてみる」というアウトプットの時間です。

参加者が挑戦しやすいように、まずはMCや、天の声からも、おもしろい個性あふれる「アクロスティック」が、例題として発表されました。すると徐々に、アイデアが生まれ、たくさんチャットに書き込まれていきます。そして他者のアクロスティックをみて、また新しいものが生まれ、楽しい時間の共有になりました。

他者との意思疎通を図る上で不可欠なコミュニケーション、人の感情・思想を伝える表現のひとつ「言葉」。今回のインスパイア・ハイを通じて生徒たちが「言葉」について考える機会にもなりました。

 

 

2025年度のラインナップ

2025年度のラインナップ

イメージキャラクターつぶやんも、天の声としてつぶやいてくれます

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次回の「インスパイア・ハイ」は7月25日(金)に予定されています。テーマは「地域の課題をどう解決する?」。それぞれの地域で活躍する大人3人の話を聞き、自分の住む土地といつもとは違う視点で見る機会を体験。視聴をしながら、共に考えます。
今年度の「インスパイア・ハイ」全体の予定も発表されました。どのようなお話を聞くことができるのか、生徒たちにどんな気づきがあるか、今から楽しみです。