人に意見を伝える～仙台大学附属明成高等学校講演会～

１０月２０日（木）、ＮＨＫ学園高等学校の協力校である仙台大学附属明成高等学校で、ＮＨＫ仙台放送局主催の出張授業が行われました。スポーツ創志科３年生の生徒１１４人が、新校舎の最先端の設備を使い、総合的な探究の時間のひとつとして、対面やオンラインで参加してくれました。

当日はＮＨＫ仙台放送局アナウンサーの髙木優吾（たかぎ・ゆうご）さんが講師としてお話をしてくれました。髙木さんは、鹿児島局、大津局を経て、現在仙台放送局で、主にスポーツ関連の取材を行っています。明成高校にも、バスケットボールや体操などの取材で何度か訪れているとのこと。

今回のテーマは「人に意見を伝える」。事前に生徒からもらった３つの質問を基に、髙木アナウンサーは、自分の考えを伝えるために必要なポイントについて具体的な例を挙げながら教えてくれました。

「聞きやすい声のトーンは？」というテーマについては、話し相手のさらに４～５メートル先に声を届けるつもりで、話すことがポイントだと教えてくれました。そして背筋を伸ばして話すことも大切。生徒全員で「天気予報です！」と遠くに話しかける練習をしてみました。

「話すときに意識していることは？」という質問には、人前での話し言葉「パブリックスピーキング」を意識することが大事だと髙木アナウンサー。一定の内容を一定の時間内に筋道を立てて話すために、①結論を最初に話す　②１センテンス１情報で文は短く　③同音異義語（例：意義？異議？）に注意する　③固有名詞はゆっくり丁寧に伝える　④全体を伝えてから部分を説明する　などが大事だと教えてくれました。

「うまく話すためにどうすればよいか」という質問に対しては、髙木アナウンサーは、なるべくメモを見ないようにする、また、年上と話す機会を作ることが大事だと語りました。そしてぜひ参考にしてほしいと挙げたのが、人気番組「人志松本のすべらない話」です。

この番組には、人にうまく伝えることのポイントが凝縮されているといいます。それは、①聞き手の目に浮かぶように伝える　②エピソード（体験、実例）を入れる。③形容詞は別のことばで表現する（暑い→外に出たとたんに日の光が肌を刺した。元気だ→毎朝１０キロのジョギングを続けている、など）、④情景を描写する　⑤会話を「」付きで語る　⑥テーマを絞るということです。

なるほど！人気トーク番組に、うまく話すコツが詰まっているんですね。

質疑応答では、何人かの生徒から質問があり、「緊張しないようにするにはどうしたらよいでしょうか？」という質問に、髙木アナウンサーは「経験を積み、場慣れする」「自分は これだけ準備したんだから、絶対大丈夫という自信が持てるまで準備をしておく」ことが大切だと教えてくれました。バスケットボールや体操などで全国レベルの活躍をしていて、全員が運動部に入り部活に打ち込んでいるスポーツ創志科の生徒は、皆、納得の表情を見せていました。最後には、生徒代表からお礼の言葉がありました。将来伝える仕事をしたいのでとても参考になったといううれしい感想をいただきました。

ＮＨＫ学園高校の協力校である仙台大学附属明成高等学校には、食文化創志科もあります。食文化創志科の生徒は、この日も割烹着を着て、蕎麦打ちなどの調理実習に取り組んでいました。校内の畑で収穫した新鮮な野菜を使ったサラダや、生徒が打った蕎麦などを作る実習授業を行っていました。どれもおいしそうです。

最先端の設備とすばらしい学校施設。この恵まれた環境の中で、ＮＨＫ学園の生徒も日々勉学に励んでいます。ＮＨＫ学園はこれからも、ＮＨＫの各地の放送局と協力しながら、未来を担う世代のためのさまざまな学びの機会を作っていきたいと思います。