【オンライン特別活動】 「自分らしさをどう見つける?」

今回のMC 小椋先生と寺岡先生
第1回「Inspire High」を開催しました
NHK学園高等学校では、定期的にオンライン特別活動「Inspire High(インスパイア・ハイ)」を開催しています。Inspire Highは、さまざまな立場や職業、専門分野で活躍する方々のインタビューを通して、自分自身の生き方や将来、そして社会について考えるオンライン特別活動です。
参加者はチャット機能などを活用しながら、自分の考えを発信したり、全国の仲間の意見に触れたりすることができます。
「対面ではなかなか意見を言うことが苦手でも、チャットなら発言しやすい」
「自宅から気軽に参加できる」
といった声も多く、毎回200名から300名を超える生徒が参加する人気の特別活動です。今年度も全6回の開催が予定されており、5月25日(月)に開催された第1回には、330名を超える生徒が参加しました。
今回のテーマは「自分らしさをどう見つける?」

今回ゲストとして登場したのは、お笑い芸人として活躍しながら、Instagramのフォロワー数950万人を超える日本屈指のインフルエンサーでもある渡辺直美さんです。現在はニューヨークを拠点に活動されており、世界を舞台に活躍を続けています。今回のテーマは、「渡辺直美と考える『自分らしさをどう見つける?』」でした。
まずは参加生徒への質問からスタート。
「自分らしさは、何となくわかる?まだわからない?」という問いに対し、
- なんとなくわかる
- まだわからない
の二択で投票を行いました。回答はリアルタイムでグラフ化され、その結果はほぼ同数。多くの生徒が「自分らしさ」について考えていることがうかがえました。

「お笑い芸人になろう」と決めた中学時代

まず、渡辺さんのライフヒストリーについてお話を伺いました。お笑い芸人を目指すきっかけとなったのは、中学2年生の時の出来事だったそうです。
授業が10分早く終わったある日、担任の先生から突然、「渡辺さんに、ものまねしてもらいましょう!」と振られたことがきっかけでした。
緊張した中、思い切って披露したものまねがクラスで大きな笑いを生み、その経験から「18歳になったら上京して、お笑い芸人になろう」と強く決意したそうです。
中学校卒業後は高校へ進学せず、アルバイトで資金を貯め、18歳で上京。吉本総合芸能学院(NSC)へ入学し、20歳の時にビヨンセのものまねでブレイクしました。さらに26歳でのニューヨーク留学を経て、33歳でニューヨークへの移住を決断。世界で活躍するという夢に向かって挑戦を続けています。
目標は変えず、やり方を変える
ナビゲーターから「努力を続けるモチベーションをどのように維持していましたか?」という質問に対し、渡辺さんは、まず大きな目標を立て、その目標から逆算して行動すること。そして、一つの方法でうまくいかなかったとしても、自分を否定するのではなく、別の方法を試してみることが大切だと話してくださいました。目標は変えず、その目標を達成するために自分に合ったやり方を探し続ける。少しずつでも前へ進み続けることの大切さが伝わるメッセージでした。
SNSとどう付き合う?

続いて話題は、現代の高校生にとって身近な存在であるSNSについて。
日本を代表するインフルエンサーとしても活躍する渡辺さんに、「SNSでは理想の自分ばかりを発信してしまうこともあるが、自分らしさを大切にしていてギャップを感じないのですか?」と、SNSとの向き合い方について伺いました。
渡辺さんは、「SNSで良い部分を見せたいと思う気持ちは理解できる。しかし、SNS中心の人生にはしたくない。SNSのために何かをするのではなく、『これが良かったからみんなに共有したい』という気持ちで発信している。SNSは人生の主役ではなく、自分の人生に付属するものとして考えている。だからこそ、SNSに振り回されて現実世界で本当に大切なことを見失わないように意識している」と語ってくださいました。
また、「自分が本当に楽しいと思うことや、自分らしいと思うことを発信し続ければ、たとえ『いいね』が少なくても、それはあなたの素敵な個性。SNS中心で生きるのではなく、自分の好きなことや大切にしていることを発信していれば、それを理解し共感してくれる人が現れます。そして、それがあなたのアイデンティティになるから 」 という言葉が特に印象的でした。

考えるSNSの良いところ・嫌なところ
インタビュー後のディスカッションタイムでは、SNSの「良いところ・嫌なところは何ですか?」というテーマについて、生徒たちがチャットで意見を共有しました。
良いところとしては、
- いろいろな人とつながれる
- 趣味を共有できる仲間が見つかる
- 情報をすぐに得られる
といった意見が寄せられました。
一方で、
- 自分と異なる意見が見えにくくなる
- 詐欺の勧誘など危険な情報も流れてくる
- 表情が見えないため真意が伝わりにくい
といった課題も挙げられました。
また、「顔が見えないからこそできることがある一方で、顔が見えないからこそ起こる問題もある」という意見もあり、SNSの利便性と危険性の両面について考える機会となりました。
ディスカッションの中では、天の声として、教員からも自身の経験が紹介されました。「以前、SNSを通じて見えない相手に相談をしたことがあります。その際、親身になってアドバイスをくださる方がいる一方で、詐欺サイトへ誘導しようとする人もいました。しかし、多くの前向きなアドバイスに背中を押された経験があります」
このエピソードからも、SNSには人とのつながりや情報収集といった大きなメリットがある一方で、情報の真偽を見極めることの重要性が伝わってきました。
さらにオンラインで参加している生徒からは、「相手の表情や声のトーンが見えない分、文字だけのやり取りでは、自分の中で『きっとこういう気持ちで伝えているのだろう』と想像してしまうことがある。その想像が良い方向に働くこともあれば、誤解につながることもあるのではないか」という意見も寄せられました。
SNSが当たり前に存在する時代だからこそ、その便利さを活かしながらも、情報をそのまま受け取るのではなく、正しく見極める力の大切さを改めて認識する時間となりました。
どうすれば「自分らしく」なれる?

続いて、「いつも前向きで自信にあふれているように見える渡辺さんは、どのようにして自信をつけてきたのですか?」という質問が投げかけられました。
これに対し渡辺さんは、「自信は、成功や失敗を含めたさまざまな経験を積むことで身についていくもの。そして、そのためにはまず行動することが大切」と話してくださいました。また、「常にポジティブでいることが大切だと思われがちですが、実は自分自身もネガティブな性格だ」と明かしてくださいました。
「失敗したらどうしよう」「怒られたらどうしよう」と不安になることも多かったそうですが、そのようなネガティブな感情を否定するのではなく、まずは受け止めることを大切にしているそうです。
ネガティブな自分を認めたうえで、失敗した場合のことも考えながら準備をしておくことで、安心して一歩を踏み出すことができる。そして、その積み重ねが自信につながっていくと語ってくださいました。
渡辺さんは、「ネガティブな自分を認めてあげて、理解してあげることが大切」と生徒たちへメッセージを送りました。自信とは、無理にポジティブになることではなく、自分の弱さや不安も含めて受け入れながら行動することで育まれていくものだと感じられるお話でした。
最後に

最後に、ナビゲーターから「渡辺直美さんが思う『自分らしさ』とは何ですか?」という質問があり、渡辺さんは、「人と比べないことが一番大事。そして、人のことを認めて『素敵だな』と思う気持ちを持っていたら、きっと自分のことも『素敵だな』『最高だな』と思えるようになると思います。」と話してくださいました。
さらに、「たくさんの人と出会い、たくさんの経験をして、自分が思い描く素敵な未来に向かって進んでいってほしい」と、温かいメッセージを送ってくださいました。
今回のInspire Highでは、渡辺さんの人生経験や考え方に触れながら、「自分らしさ」や「SNSとの向き合い方」について深く考える機会となりました。
講座の最後には、参加した生徒へ向けて、「自分は最高! なぜなら○○○だから。」というテーマでアンケートが行われました。

チャットにはたくさんの前向きな言葉が寄せられ、それぞれが自分自身の良さや個性について考える時間となりました。その中でも、「自分は最高! 自分という存在は世界に一人しかいないから」というコメントが寄せられ、参加者からも共感の声が集まりました。
渡辺さんが伝えてくださった「人と比べるのではなく、自分らしさを大切にすること」というメッセージが、生徒の心にしっかりと届いていたことが感じられる締めくくりとなりました。