尾木ママが語ってくれたこと2026
尾木直樹さん講演会を開催しました
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2026年8月22日、NHK学園東京本校に教育評論家の尾木直樹さんをお迎えし、「子どものミライを信じる親子関係」をテーマに講演会を開催しました。在校生の保護者および入学検討者の保護者が参加し、現代の子どもたちを取り巻く環境や、保護者としての関わり方について理解を深める貴重な機会となりました。
子どもたちを取り巻く環境の大きな変化
講演会の冒頭。まず、不登校児童生徒数の増加や通信制高校への進学者の増加など、子どもたちを取り巻く状況について説明がありました。2025年10月に発表された2024年度の不登校生数は小学生・中学生で353,970人、高校も含めると421,752人に上ります。この数字を単純に個人や家庭の問題として捉えるのではなく、社会全体の変化や子どもたちの生きづらさと結び付けて考える必要があるというお話から始まりました講演会は始まりました。
また、日本の子どもや大人は海外と比較して自己肯定感が低い傾向にあります。2023年に行われた「子ども、若者の自己肯定感国際比較」によると「自分自身に満足している」に「どう思う」「どちらかと言えばどう思う」の合計は、アメリカ、ドイツ、スウェーデンが73%台、フランスが75.6%に対し、日本は57.4%と著しく低くなっています。
AI時代における親子関係
近年、生成AIが子どもたちにとって身近な相談相手になっている現状についても紹介されました。「生成AI利用者の利用実態に関するアンケート調査」(2026年、内閣府)によると、
・10代の女性で52%、男性23%において、生成AIの使用目的は「悩み相談」。
・「人間関係・人付き合いのアドバイス」について、「生成AIを信頼している」割合は、10代女性で6割超、男性は5割超。
また、NOPO法人ライフリンクの調査によると、「死にたい・消えたい気持ちが抑えきれなくなった場合の相談相手」について、小学生42%、中学生58%、高校生53%が「生成AI」と回答。「身近な大人」は平均で14%にとどまります。
人間関係の悩みや将来への不安をAIに相談する子どもが増えている一方で、AIは正確な情報を提供できても、相手の気持ちや状況に寄り添った対応には限界があります。だからこそ、家庭や学校など身近な大人との信頼関係がますます重要になるのです。子どもたちが困った時に安心して相談できる環境づくりが求められています。
「思春期」という困難な時期
思春期の子どもたちの心理や脳の発達についても分かりやすく解説いただきました。
日本国内では、大人の自殺は減少傾向にありますが、子どもの自殺は増加傾向が続いている、というのが現状です。日本の子どもたちが「生きづらさ」を感じている状況を反映していると言えます。
その一つが中学校と高校の分断です。日本以外の国では中学と高校がつながっているのが一般的で、6年間かけて、思春期の悩みと向き合っていくのです。
ティーンズ脳(思春期脳)が発見されたのは今から40~50年のこと。およそ12歳になると、それまでの脳と大きく変化するのは、その回転スピードです。その差は実に100倍と思春期の脳の成長には私たちの想像を絶するものがあります。この時期は「反抗期」と言われるように親や大人に従わなくなる時期でもありますが、これは人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の経験を踏まえて考えようという自立のために必要な時期でもあるのです。
一方で、人間らしい思考・判断・感情制御・社会的行動を司る前頭前野が成熟するのは、概ね20歳と言われ、それまでは、感情のコントロールが難しかったり、熟考する力が成熟していなかったりします。そのため、大人から見ると反抗的・感情的に映る言動もありますが、それは成長過程の自然な姿であり、子どもが「第二の自分づくり」に取り組んでいる時期だと言えます。高校受験と思春期が重なる日本の子どもたちの辛さは特別なものとして理解する必要があるのです。
心をつなぐ言葉「どうしたの?」
講演の終盤で最も印象的だったのは、「どうしたの?」という声かけです。尾木ママの話しぶりを意識して、柔らかく「どうしたの?」と声掛けしてみてください。否定されるのではなく「どうしたの?」と受け止められて初めて子どもは言い訳をします。子どもが自分の思いを話してくれたら、その中には5%でも10%でも共感できる部分があるはずです。「それは大変だったね」と共感して、受け止めてあげることが大切だと教えていただきました。
会場では、先生の発声に続いて、「どうしたの?」「それは大変だったね」と参加者全員で声掛けの練習を行いました。
おわりに
講演会を通して、子どもたちを取り巻く社会が大きく変化していること、そしてその変化の中で大人に求められる役割も変わってきていることを学びました。
尾木さんのお話は、SNSやAI時代の子育てなど現代的な課題を取り上げながらも、「子どもを信じること」「子どもの声に耳を傾けること」の大切さを改めて考えさせてくれる内容でした。
今後もNHK学園高等学校では、生徒一人ひとりが安心して学び、自分らしく成長できる環境づくりに努めてまいります。