NHK学園イメージキャラクターで、エッセイスト、「NHK俳句」番組司会者としてもおなじみの岸本葉子さんによる書きおろしエッセイ。
第2回目は「はじめまして、書道」です。
ちょっとのコツで見違える字に
スマホやパソコンで字を「打つ」ことが多くなったものの「書く」機会もまだまだあります。
悲しいことに、年々字が下手になっている感じ。
今回は、NHK学園専任講師の佐藤順子先生の指導を受けました。
書道はNHK学園でもっとも歴史のある講座で、5月には第35回となる書道展が、東京都美術館で開かれるといいます。
憧れます!
まずはボールペンで書こうとしたら、
あれっ、
下敷きにはね返されて線ががたがた。
「ペン先に力を入れて、それより上はやわらかくしておくのがコツ」と佐藤先生から。
ボールペンにも「持ち方」があったとは。
いちばん難しいのが、他ならぬ自分の名の「葉」で、なんだかとても不格好。「木」の下のラインがV字になるように書くとよいそうです。「木」の「ノ」と縦棒との間は均等に空けて。線のみならず余白も大事と、心します。
次の筆ペンは、私の苦手中の苦手。
記帳のときには、自分の字が恥ずかしく、早くめくられ次の頁へ行ってほしいと思うほどです。

いちばん難しいのが、他ならぬ自分の名の「葉」
新書道入門の石飛博光先生のお手本で「ありがとう」と書いてみます。
「あ」は丸を書くように筆をぐるりと回しましたが、
佐藤先生のご助言により、要所要所で止めて、中心線に字のどこを合わせるかも考えました。
少し意識しただけで、われながら見違えるような字に!
活字に近づけようとしがちですが、手書きの字のめざす形は別物と知りました。

見違えるような字に!
書道展には、まだかもしれませんが、記帳はもう気後れせずにすみそうです。
(つづく)
