6/16「新入学生保護者向け講演会」を開催しました
- 東京本校
2022.06.29
テーマ「思春期のメンタルヘルス」
思春期になりますと、子どもたちは、学校や勉強のことなどなかなか話してくれなくなり、保護者の方は心配も多いものです。さらに、通信制のNHK学園の場合、自宅学習が中心である生徒が多いため、保護者の方が一番長く生徒たちと接する立場でもあります。さまざまな悩みを抱えた保護者のみなさまの心が少しでも軽くなればと考え、今回NHK学園では、「本校スタンダード・ライフデザインコース1年生保護者向け懇談会」として、教育相談・保健係より保護者に向けたミニ講演会を開きました。
テーマは「思春期のメンタルヘルス」で、本校の心の相談医で、小児科・児童精神科の深井善光先生より、心身症、不登校についての内容を中心に講演を行いました。深井先生は本校の総合教育相談センターに専門的な観点からのサポートをいただいている方です。
講演内容は、事前に保護者からいただいていた質問への回答なども交えながら進行しました。例えば「子どもの機嫌に振り回されない方法」というご質問には深井先生から、こんなアドバイスがありました。子どもから大人になるこの時期は、「放っておいて」という気持ちと「かまってほしい」という気持ちに揺れ動くもの。なので、振り回されて大丈夫というのが先生の解答です。「放っておいて」という険悪な態度のときはかまわず、「かまってほしい」と依存的な態度のときは、包容力をもって接しましょう。そうやって子どもに振り回されていくうちに、徐々に距離が離れ、対等な青年期に移行するものと、説明をしていただきました。
起立性調節障害については、立ちくらみや立ち続けると気分が悪くなる症状があり、午前中は頭痛や倦怠感があり、起きられない場合もあります。発症の頻度は、中高生の約2割に及ぶそうです。起立性調節障害が始まるのは小学4,5年生から。中学2年生頃をピークに悪化し、高校2年生頃には症状は治まってきます。急激に身長が伸びる時期には、身長が伸びる分だけ、血液を押し上げる負荷も増すため、頭まで血液が届きにくくなってしまうということが原因です。また、長期化する場合は身体能力の低下や精神状態に悪影響をもたらす症状があらわれ、廃用症候群の疑いもでてくるとのことです。
その他にも、たくさんのためになるお話をうかがいましたが、そのどれもが、理論やデータ、ご経験などをもって、保護者の不安を小さくしてくれる内容でした。
今後も、教育相談・保健係では、さまざまな企画を行っていきたいと考えています。その際は是非ご参加ください。