エッセイストの岸本葉子さん。先日開催の「西村和子の俳句トーク」の初回ゲストとしてお話しいただきました。対談講座を振り返っての今回のエッセイです。
「西村和子の俳句トーク」初回ゲストとして
NHK学園国立本校オープンスクール&オンラインではじまった対談講座「~西村和子の俳句トーク~ 和子と一緒」。
教室にお越しになるほか、ご自宅からもパソコンやスマホでご参加になれる方式です。
私は月刊『NHK俳句』の連載「誌上句合わせ」でごいっしょしているご縁から、第1回のゲストにお招きいただきました。

俳句との出会い、学び方、作文やエッセイと俳句の違い、俳句の魅力など話は尽きません。
和子先生からはこの日も数々の名言が飛び出しました。
一例を挙げれば
「嘘つきは俳人の始まり」。
そのココロは?和子先生と昔、初めて句座を共にしたときのそれぞれの句や、制作の背景といった「秘話」も。
お互いの作品を10句取り上げて鑑賞。話は俳句と人生といった深いところへも及びました。

NHK学園の教室で
ふたり四人そしてひとりの葱刻む 西村和子
結婚して子を設け四人家族となり、伴侶は先立ち子どもたちは巣立って今はひとり。十七音の自分史です。苦労の多い育児、つらい別れなど、はた目には「俳句どころではなさそう」な時期も、俳句があったから生きてこられたと、和子先生は語ります。
立ち直れたから言葉にできるのではなく、言葉にして十七音に整えることで立ち直っていくのです。

放送テキスト『NHK俳句』でも好評連載
対談講座は第2回、3回と続きます。そのつど異なるゲストが来ます。次はどんなお話が展開されるか、楽しみです。

教室参加の皆さんと
そして忘れてはいけません、和子先生も選者をおつとめの第24回NHK全国俳句大会の投句締切が11月1日です。
年1回の国内最大規模の俳句大会。改修成ったNHKホールにて3年ぶりに集います。こちらも楽しみ!
(つづく)

岸本葉子(きしもと ようこ)
エッセイスト・NHK学園イメージキャラクター。2015年~2021年「NHK俳句」番組司会。月刊誌『NHK俳句』「誌上句合わせ」連載中。句集に『つちふる』。