ようおいでたなもし 松山俳句通信【第8号】

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2019.08.19

令和の夏!俳都松山の伝道師🔥松山在住の伊予吟会 宵嵐(いよぎんかい よいらん)さんの夏だより!
今回は、「万葉集」にちなんだ一句をご紹介。宵嵐特派員、よろしくお願いします!

※「おいでたなもし」とは、松山市の方言で「いらっしゃい」の意味です。

 

万葉の空気を吸いに伊佐爾波神社へ

道後温泉駅を降りて東へ。坂を一直線に登っていくと石段が見えてきます。

伊佐爾波神社は延喜式に記載があり、実に1000年以上前から信仰を集めていた古社です。京都の石清水八幡宮を模したと言われ、国の重要文化財に指定を受けました。

 

石段の頂上まで行くと、右手にひっそりと句碑が設置されています。

伊狹庭の湯はしもさはに梅咲けり
加倉井秋を

この句の「伊狹庭(いさにわ)」「湯はしもさはに」は、茨城県出身の俳人加倉井秋をが、万葉集第3巻の山部赤人の長歌を取り入れたものです。

「さはに」は多いという意味で、現代語で言えば「出湯も多くあるけれど」といったところでしょうか。新元号令和の出典は万葉集第5巻「梅花の歌」だそうです。

偶然とはいえ、梅・万葉集というキーワードが含まれるこの作品は、令和のシンボリックな句に思えてなりません。

松山にお越しの際は、万葉の空気を吸いに伊佐爾波神社まで来てみませんか?
石段があるので良い汗をかけると思いますよ。

 

 

万葉集・・・といえば、新講座「令和に学ぶ万葉集」がスタート!

宵嵐さんのお話にもありました万葉集。この夏、NHK学園でも「万葉集」の講座がスタートいたしました!

その名も「令和に学ぶ万葉集~佐佐木幸綱ゼミナール~」
歌人 佐佐木幸綱先生のご案内で、万葉集の概略と歌の作られた130年間を4期にわけ、その時代の代表的な歌をとりあげながら学んでいきます。

ぜひごいっしょに「令和」の原典を読み解きましょう!