パレスチナ視察団が東京本校を訪問
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国内の通信教育の刷新に向けて学習方法や放送の活用、ネット学習システムを視察

2025年12月2日、パレスチナ暫定自治政府で理科や数学、技術のデジタル教材作成に携わるContent Development Team(CDT)のメンバー20名がNHK学園高等学校を訪れました。国際協力機構(JICA)が支援する「パレスチナ理科・技術・数学デジタルコンテンツ作成プロジェクト」の一環として日本国内での研修のための訪問です。パレスチナでの理数教育の質の向上を目的に、学校現場での映像教材活用方法を学び、今後のデジタル教材作成に反映させるために来日し、研修を行っています。
パレスチナでは、新型コロナウイルスの影響や2023年からの武力衝突により、多くの児童・生徒が学習機会を制限され、学力低下が懸念されています。教育・高等教育庁(MoEHE)は、教育テレビを通じた映像授業を展開してきました。しかし、教材は一方向的な内容にとどまり、効果に限界があることから、MoEHEからJICAに開発支援の要請があり、今回のデジタルコンテンツ作成プロジェクトが始まったとのこと。JICAはこれまでもカリキュラム改訂や生徒中心型授業の定着においてパレスチナ暫定自治政府を支援してきたそうですが、今回は特に5~9学年の理科・技術・数学において、わかりやすく主体的な学びを促す映像教材の開発支援を目的としているということでした。
今回の訪問では、NHK学園が進めている「NHK高校講座」を活用したネット学習システム上での学習やNHK学園が独自に制作している映像教材の工夫について説明を受け、スクーリングの参観なども行って、オンラインを活用した遠隔教育の可能性について、NHK学園の教員との間で意見交換を行いました。
パレスチナでは、高校を卒業する時に「タウジヒ(Tawjihi)」と呼ばれる統一試験を受けます。その結果次第でどの大学のどの学部に出願できるかが分かれるため、高校ではこの試験への準備に重点が置かれること、一方で、日本では、普段の学習の過程が評価されて卒業が認められることなど、教育制度や評価の在り方の違いについても議論をし、互いの知見を高めました。

最後には、パレスチナの伝統的な陶芸の記念品をいただきました。CDTの皆さん、ご訪問ありがとうございました。
現地では、厳しい紛争下にあっても、人的資源の育成を重視し、教育へのアクセス拡大を進めているとのことです。今回の訪問が、今後の活動のヒントになればうれしいです。