ようおいでたなもし 松山俳句通信【第41回】

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2023.10.18

「松山俳句通信41回目」が届きました。今回のお話は、「伊予鉄道の運転体験のお話」です。秋の松山を満喫したいですね!

 

伊予鉄道の運転体験

 松山市内の交通の要である伊予鉄道では、希望する人に有料で運転体験をさせてくれるイベントを企画しています。今回、私も三万円支払って、実際に市内電車を運転してきましたので、その体験を共有させていただきます。

 

 

当日、まずは古町駅の操車場に集合して点呼とアルコールチェックを行い、安全運転の訓示を受けます。そして車庫まで歩いて移動して、模範運転の見学のあとに希望者それぞれが車庫内の路線を数往復する流れでした。

 

 

その日使用する車両は伊予鉄道モハ50形51号という電車で、なんと1951年の製造です。伊予鉄道の路面電車の中で最も古く、今年で72歳になるんですね。そんな旧車だけに運転の操作は難しく、いわゆる癖の強い車輛なのだそうです。そんな説明に頷きながら、いよいよ私が運転する番が来ました。用意してもらった帽子をかぶり、前方を確認してから出発進行です。 

 

 

運転台をおおまかに説明すると、左手のハンドルがノッチと呼ばれるアクセルのようなものです。右手で操作するのがブレーキで、この制動が非常に難しい。ブレーキが強すぎて急停車したり、停止線で止まれずにオーバーランしたり・・・変な汗をかきながら、合計20分間の運転体験を終えました。ちなみに私以外の参加者は東京から来た人の割合が高く、「今から松山空港で大反省会だ」とおっしゃっていました。

 

 

わかるゝや一鳥啼て雲に入る 漱石

 他の参加者たちに別れを告げ、市内に戻ります。目抜通りには漱石の句碑。そういえば小説坊ちゃんの中で、伊予鉄道のことを「マッチ箱のような汽車」と形容したのは夏目漱石でした。

 

 

 今日もその句碑の前を、伊予鉄道の市内電車が元気に行き来しています。