ようおいでたなもし 松山俳句通信【第39回】

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2023.03.29

伊予吟会 宵嵐さんから届きました!久しぶりの松山俳句通信。今回のお話は「松山城」です。

 

松山城古町口登城道

松山の象徴ともいえる松山城。観光客はロープウェイやリフトで登る人が多いのですが、地元民は四つある登城口のいずれかを選び、徒歩にて上り下りします。

そのうちの一つである古町口は、2018年7月の西日本豪雨の際に、入り口近くの崖が崩れて通行止めになっていました。また、2021年7月の大雨にて、別の場所でも崖崩れが起きてしまい復旧作業が続いていたのです。

そもそもこの登城道は1910(明治43)年、県庁裏登城道とともに造られた歴史あるルートです。城山の北西側の麓と天守西側の乾門を九十九折りに結ぶ道で、私を含めた地元住民にとって貴重な散策路でした。

正岡子規の碑

正岡子規の碑

さて、長らく閉鎖されていた古町口ですが、2022年9月25日をもって通行止が解除されました。近所を通りかかったので久しぶりに登ってみます。

入り口付近が綺麗に整備され、一部の区間には手すりが新設されています。しかし上に行くにつれて、以前の登城道がそのまま残っており、無事な姿を見てほっとしました。四つのルートの中で最もマイナーなのですが、明治以前の名残をとどめている古道に、私自身の愛着を見出したのです。

春の月城の北には北斗星   草田男

中村草田男の句碑

中村草田男の句碑

古町登城口の北側に中村草田男の句碑があります。当時も古町登城道から北斗七星が見えたのでしょうね。