ようおいでたなもし 松山俳句通信【第36回】

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2022.06.09

みなさま、伊予吟会 宵嵐さんから届きました!

お待ちかねの「第36回松山俳句通信」。今回は、鼠のお話しです。

西龍寺

西龍寺

松山市内から道後に向かう途中、西龍寺というお寺に立ち寄りました。ここにも当然のように正岡子規の句碑があります。

鶏頭の丈(せ)を揃へたる土塀哉 子規

明治28年9月20日に柳原極堂と石手寺から道後を散策し、ここで一句詠んだとのこと。ところで、このお寺に来たのには、もう一つ理由がありました。なんと鼠小僧の墓?があるというのです。
鼠小僧といえば1797年生まれの実在の盗賊であり、1832年に浅草で処刑されたという記録が残っています。東京両国の回向院に墓があり、正確に言うと、ここ西龍寺にあるのは供養塔という位置付けです。明治末期に松山で上演された歌舞伎「鼠小紋東君新形」が大当たりして、関係者が供養塔を建てたとか。

ネズミだけに狭い所(難関)を通り抜けるとのことで、墓石を削って御守りにする人が後をたたず、今では削り専用の供養塔があるほど。受験生に大人気なのだそうです。絵馬も当然に鼠でした。

受験生に大人気の絵馬

受験生に大人気の絵馬

削り専用の供養塔

削り専用の供養塔

なんだ偽物じゃないか!と思われるかもしれませんが、こういう洒落っ気のある所が松山の俳味ある文化なのかもしれませんね。