桜満開のお知らせとともに届いた「第35回松山俳句通信」。 今回は、ひょこたん池のお話しです。
松山市の中心部を流れる石手川は、南側を流れる重信川と合流して海に流れ込みます。この重信川の南側の松前という町には、全体がひょうたんの形をした池があり、1993 年にひょこたん池公園として整備されました。
この池は、重信川の堤防下を流れた水が湧き出て作られたもので、現在も農業用水として利用されています。
昔は池の中央から水が湧き出ていて、泳いでいる人もいたそうです。
現在は、ベンチや木のデッキが設置され地域の憩いの場としても利用されていますし、私の散歩コースの一つでもあります。
全体的に綺麗な公園で、池の透明度も比較的高く、のんびり泳ぐ鯉の様子がハッキリと見えます。
ところで、さすがは俳都松山の隣町。こんな場所にも句碑を発見しました。
田を植ゑるしづかな音へ出でにけり 中村草田男
中村草田男の第一句集「長子」に収められている一句ですね。
実は草田男は幼時にこの近所に住んでいたのです。成人して帰省した際には松前の町を訪れ、母と暮らした当時の思い出を句に残したと言われています。
その当時に「ひょこたん池」があったかどうかは分かりませんが、草田男もこの辺りで泳いでいたのかもしれません。