【コラム】NHK学園通信講座を支える先生にインタビュー! 教える人

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2017.12.19

大学時代は文学を専攻し、小説や詩の世界に親しんでいた鈴木章和先生。その後、サラリーマン生活を経て、NHK学園生涯学習通信講座の専任講師に。今回は、俳句講座での指導に情熱を注ぐ先生にお話をうかがいました。

 

鈴木章和(すずき しょうわ)
1955年静岡県生まれ。1992年平井照敏主宰の「槙」入会。2006年「翡翠(かわせみ)」主宰。俳人協会会員、NHK学園俳句講座専任講師、NHKラジオ第1「文芸選評・俳句」選者。

 

 

俳句とは「言わぬが花」なのです。

 

 

――章和先生がNHK学園で講師をはじめたきっかけをお聞かせいただけますか?

薬局のサラリーマンをしていた30代前半。妻が「日曜日に家でごろごろしてるなんてもったいない」とカルチャーセンターの俳句講座に申し込んできたんです。

それが、のちの私の師匠となる平井照敏先生の教室で、先生はNHK学園「俳句友の会」の選者でもありました。そういうつながりから先生の片腕として薫陶を受けました。かれこれ14、5年前のことです。

▲現在は専任講師として添削の最終チェックをご担当されています。

▲現在は専任講師として添削の最終チェックをご担当されています。

――今回、先生にぜひお聞きしたかったのですが、俳句と短歌、川柳の違いとは何なのでしょうか?

う~ん、むずかしい質問です。いろいろな解釈があると思いますが、たとえば「言わぬが花」という言葉があるように俳句は全部を言っちゃいけないと教わるんです。

一方、短歌は自分の気持ちを素直に出す。川柳と短歌はちょっと似ていて、むしろ言ってしまわないといけないんですね。俳句は言う手前で終わってなきゃいけない。「言わないで感じ取ってもらう」という表現です。

 

 

人に見せる。作品にするとはそういうこと。

 

 

――俳句に興味はあるけれど、なにから始めていいかわからないという方もいらっしゃいます。

季語の本「歳時記」をぱらぱら読んで知っている言葉からまず一句作ってみるんです。

自分でできたなと思う到達感もあるけれど、もっと深く入っていくと第三者が喜んでくれるというステップが待っています。

人に見せると「いい句だ」「よくわかるこの気持ち」とか言ってくれるんです。そうすると「もっと作ってみようかな」と思うのにちがいありません。

 

――人に見せることが大事だとしたら通信講座はうってつけです。ということで、本日は僭越ながら先生に添削していただきたく、下記の一句を持ってまいりました。私の子供のころの思い出、仕事をしていた母について詠みました。

                ▲【私の一句】(字余りで恐縮ですが…)

                ▲【私の一句】(字余りで恐縮ですが…)

 ▲【鈴木章和先生の添削(直筆です!)】

 ▲【鈴木章和先生の添削(直筆です!)】

 

 

――たしかに先生のちょっとしたアドバイスで思いが伝わる句に! 自分が主役となって詠む、季語をうまく使うことが肝なのですね。さっそく次の句を詠みたくなってきました。
では、最後に先生の今後の目標をお聞かせください。

私も受講者の皆さんの作品を拝見していると初心に帰ることばかりです。「こういうところに昔は感動してたなあ」とか。俳句を始めたばかりの方ってとても新鮮なんです。感性が。まっすぐ。

これからもそういう皆さんのお手伝いをしていきたいですね。伸びていく人をみるのはじつに良いものですよ。

 

 

                  ▲NHK学園は丁寧な添削を通じて、みなさまの学びの伴走者でありたいと思っています。

                  ▲NHK学園は丁寧な添削を通じて、みなさまの学びの伴走者でありたいと思っています。

(このインタビューは2017年12月のものです。)