【学習の旅】「納経・納仏の旅~京都五山の名刹『建仁寺』~」報告!

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2018.10.24

NHK学園では、日頃おかきになった写経・写仏作品を、全国各地の由緒ある寺院に納める「納経・納仏の旅」を毎年開催しています。

今回は30名の皆さまがご参加。10月16日(火)~18日(木)の3日間、NHK学園「写経」講座講師 佐藤芙蓉先生とNHK学園「写仏」講座講師 山田美和先生とともに、〈京都五山〉と呼ばれる臨済宗の五大寺を訪れ、名刹『建仁寺』に納経・納仏してまいりました。

最初の訪問先は東福寺(五山・4位)。紅葉にはまだ早く、静かな境内です。

 

 

続いて相国寺(五山・2位)の開山塔庭園。承天閣美術館では、伊藤若冲による水墨画の傑作など国宝5点を含む貴重な文化財の数々をじっくり鑑賞しました。

1日目が終わり宿舎に着くと、ちょうど「大相撲京都巡業」の力士達と遭遇する、嬉しいハプニングがありました。エレベーターも「満員御礼」!

夕食後、同行の山田先生から、写仏の心得などについてお話がありました。また同じく同行の佐藤先生は、ご自身が収集する古写経を披露しながらの講義。天平時代の生の写経作品を間近にして、皆さん興奮気味。大変貴重な時間となりました。

 

 

2日目は京都最古の禅寺である建仁寺(五山・3位)。ここに納経・納仏し、式を挙げていただきます。禅宗の寺院らしく、美しく静かな佇まいに心が洗われるよう。

祭壇の前に、お預かりした写経・写仏作品を奉納します。旅には参加されない方も申し込むことができます。

緊張の中、厳かに納経・納仏式が始まり、皆で般若心経を唱和しました。
奉納した証として、納経証を佐藤先生が拝受、納仏証を山田先生が拝受しました。

※本堂内は、建仁寺より特別な許可を得て撮影させていただきました。

無事に式が終了し、住職から大変貴重なご法話をいただきました。「禅の世界では、『明日はもう命がないと思うて生きよ』と教えられます。皆様も今日一日を、今この瞬間を大切に生きてほしい。その瞬間が、彼岸(仏の世界)なのです。」

また、僧侶方の案内で広い境内を拝観。俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(高精細複製)、方丈襖絵「雲龍図」「花鳥図」などの展示も堪能しました。

奉納が終わってほっとした皆さんと観光客で賑わう嵐山へ移動し、天龍寺(五山・1位)へ。一歩入ると、古都京都の静けさに包まれ、曹源池(そうげんち)庭園の美しさにうっとり。

次に訪れた大覚寺では、60年に一度の「戊戌開封法会(ぼじゅつかいふうほうえ)」が開催されていました。1200年前に嵯峨天皇が書写した般若心経は霊経と崇められ、厳重に秘蔵されました。60年ごとに開封され、広くお披露目されます。その貴重な時期に訪れ、霊経をじっくり間近で鑑賞することができました。

 

 

3日目。澄み切った空の下、南禅寺(五山・別格)の山門をくぐります。歌舞伎で石川五右衛門が、山門の上から満開の桜を眺めて言う「絶景かな、絶景かな」のセリフで有名な場所ですね。

最後は世界遺産の東寺にも訪れました。京都五山をはじめ、いずれも見ごたえのある素晴らしい寺院ばかりでした。紅葉シーズン前ということもあり、思いのほか静かにじっくりと拝観することができ、皆さん仏の心を養うことができたようです。

来年も「納経・納仏の旅」を企画いたしますので、楽しみにお待ちください!