平成29年度文部科学大臣賞が決定いたしました!

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2018.04.01

NHK学園主催 俳句・短歌・川柳の全国大会、地方大会の大会大賞作品の中から、その年の最も優れた作品に贈られる文部科学大臣賞。平成29年度の授賞式が、3月30日NHK学園東京本校にて開催されました。



俳句部門

NHK学園伊香保俳句大会 大会大賞 山之内 喜七さん(新潟県)

俳句部門で受賞された山之内喜七さんは、10代から俳句を始め、最近やっと「これが自分の句だ」と思えるようになってきたそうです。

選者の宇多喜代子先生は『春になり、冬の間に硬くなっている土を耕す。この句の「耕し」は耕運機によるものではなく、昔ながらの鍬を用いた作業だろう。時折、腰をのばして遠くの山を眺めて一息いれ、また鍬をにぎり土を返す。親も、その親も、こうして春にはじまる農作業に心身の力を出して生きてきたのだ』と評されました。

平成10年度NHK全国俳句大会にて大賞を受賞して以来、賞の重みにたえかねてしばらく投句できなかった経験の持ち主。今回はそれを乗り越えての受賞。お見事です。

川柳部門

NHK全国短歌大会 大会大賞 福留 佐久子さん(宮崎県)

短歌部門で受賞された福留佐久子さん。今回の受賞作にこめられたメッセージは、読む者に深い印象を残しました。

選者の栗木京子先生は『日本の五歳児が難民キャンプを知らないように、難民生活を送る五歳の子は行楽地のキャンプを知らないであろう。置かれた境遇によって言葉は異なる意味をもつことがある。その事実に胸が痛む。初句と結句の二つの「キャンプ」の間には遠い距離があるのだ』と評されました。

「読んでくださった方の記憶の隅にでも残るような作品をつくっていきたいと思います」流されず、ならされず。これからも”自分自身にしか詠めない歌”を目指す福留さんです。

川柳部門

NHK学園伊香保川柳大会 大会大賞 野口 一滴さん(岩手県)

川柳部門で受賞された野口一滴さんの受賞作は、15年前に逝去された奥様への一句でした。

選者の田中寿々夢先生は『日本人の心に、鮮やかに華やかに響く花と言えば桜だろうが、その美しさは春という季節と相まって、あのうす紅色の花と儚くも潔い散り際にある。そんな生涯の畳み方は誰にとっても憧れだろう』と評されました。

野口さんは川柳歴34年の大ベテラン。「残された時間を川柳に燃やしたい」という強い決意に、次回作を大いに期待せずにはいられません。

桜満開の授賞式。受賞者のみなさんに共通していたのは活き活きとした笑顔でした。好きなことをきわめると、人はキラキラと輝くのですね!

みなさま受賞おめでとうございます!