「高卒認定」と「高卒資格」。「高卒」ということばがつくため混合してしまいがちですが、大きく異なります。「高卒認定」は高校卒業と同等の学力を示すことで、「高卒資格」は文字通り高等学校の卒業資格を得ることです。
「高卒認定」と「高卒資格」それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解し、将来の夢や進路に最適な方法を選択しましょう。

高卒認定試験について

高卒認定試験は、正式には「高等学校卒業程度認定試験」と呼び、さまざまな理由で、高校を卒業できなかった人の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があるかを認定するための試験です。
高卒認定試験に合格すれば、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられますが、進学した後に中退するようなことがあれば、「中学卒業」が最終学歴になります。「高校卒業」という学歴を得たいのであれば、全日制、定時制、通信制いずれかの高校を卒業する必要があるということを知っておきしょう。
※履歴書の学歴欄には「高等学校卒業程度認定試験合格」と書くことはできます。

旧制度の「大学入学資格検定制度（大検）」は、主に進学するための資格としての活用にとどまっていましたが、高卒認定試験になってからは、進学のみならず、資格取得のための検定試験や就職試験にも活用が可能になりました。
 高卒認定は16歳以上の高卒資格のない人が、8月上旬・11月中旬に実施される試験に合格すると資格が与えられます。ただし、18歳以上にならないと合格の効力は生じません。

 出題は、基本的に4つの解答の中から正解を選ぶマークシート方式。８科目ないし9科目すべてに合格することで高卒認定合格となります。一度に全科目合格する必要はありません。合格した科目については「科目合格」となり、次の試験からは免除になります。試験は年２回実施されますので、科目を分けて受験対策することもできます。また、年度をまたいでの受験も可能です。
とはいえ、自分で計画を立てて勉強していく計画性や主体性が必要で、合格のハードルが高いことは事実です。

高卒認定試験の受験料

受験料は受験する科目数によって異なりますが、全科目受験しても8,500円と負担は少ないです。
最新の情報は下記をご確認ください。 ※NHK学園のページを離れます。
 文部科学省「高等学校卒業程度認定試験　概要・パンフレット等」

「高校卒業資格」について

 高校の卒業資格は、学校教育法第1条に定められている高等学校において所定の課程を修了して得られます。全日制、定時制、通信制のいずれの高校を卒業した場合でも高校卒業資格が得られます。卒業には、3年以上修学し74以上の単位修得が必要です。また、必履修科目（普通科なら、英語、国語、数学などの科目のほか家庭科や体育も含まれる）の単位修得が必要です。
全日制高校の場合は、各校の定めにより74単位を大きく超えた単位数の修得が進級や卒業の条件となっている学校もあります。

「高卒資格」の資格以上の意義

「高校卒業資格」を得るということは、単に高校で学習する内容を理解したという学力の証明だけではなく、高校生活における特別活動や友人・先生との交流を通して社会性も培ってきたという証明でもあります。
高校生活からは、かけがえのない人生経験が得られます。学校の仲間と交流し、共に学ぶというのは、とても有意義な経験になりますし、何よりも楽しいものです。
 通信制高校での学習は、特に登校日数が少なく、卒業のための単位修得を中心としたカリキュラムを選択すれば学費負担を抑えることも可能です。「高卒資格」を得る手段として、選択肢の一つとして検討に加えることをおすすめします。

「高卒認定試験」との併用～NHK学園でできること～

高卒資格取得への切り替え

これまで「高卒認定資格」をめざしてきたけれど、やはり「高卒資格」が欲しいという場合、「高卒認定試験」で合格した教科・科目については、その内容に応じて、ある程度まで修得単位として認め、履修を免除しています。これまでの成果を生かし、少ない負担で、「高卒資格」をめざすことができます。

高卒認定試験の科目免除

「高卒認定試験」を受けているけれど、合格できない苦手な教科・科目があるという場合、NHK学園に入学し、苦手な教科・科目だけ履修して単位を修得すると、「高卒認定試験」の科目受験免除を受けられます。免除を受ける場合には、「高卒認定試験」出願時に手続きが必要です。

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