結果発表

第25回NHK全国短歌大会

第25回NHK全国俳句大会

歌壇・俳壇を代表する歌人・俳人が一堂に会する、年一回の祭典

応募総数

短歌20,558首

俳句37,910句

ご応募ありがとう
ございました

2024年3月30日(土)・31日(日)
「第25回NHK全国短歌大会・俳句大会」NHKホールで開催

短歌20,558首(題詠と自由題15,038首、「近藤芳美賞」5,520首)
俳句37,910句(題詠と自由題31,475句、「龍太賞」6,435句)
最年少は4歳、最高齢は107歳と幅広い世代の皆さまから
多くのご応募をいただきました。
心より感謝申し上げます。

第25回 NHK全国短歌大会

NHK全国短歌大会 大賞作品

  • NHK全国短歌大会 大賞作品

    新三田行きに乗れども新三田見ることはなし未来のごとく
  • NHK全国短歌大会 大賞作品

    水のドア何度も開ける平泳ぎ別の私がいそうな気がして
  • NHK全国短歌大会 大賞作品

    泣き声がロビーに響く嗚呼これは私を父にするファンファーレ

「特選」「近藤芳美賞」
受賞作品

特選作品 題詠「平」
(選者五十音順)

大森 静佳 選
あまりりす平泳ぎならどこまでもゆけると言ったひとの踏む水 瀬戸口祐子(大阪府)
岡野 大嗣 選
五匙しか食べない夫に粥を炊き行平鍋の窪みを磨く 浦本洋子(東京都)
川野 里子 選
原発の汚染処理水受け入れて太平洋は少しふくらむ 髙橋征子(愛媛県)
小島ゆかり 選
大事なこと俺が決め何が大事かは妻が決めてる平らかな日々 浦田耕治(兵庫県)
三枝 昻之 選
人生は均せば平らと言い聞かす谷底の日も春陽は温し 森川知子(山口県)
俵  万智 選
I・Hのキッチン退きたる行平鍋(ゆきひら)が庭に働く柄杓となりて 野村貴和子(愛媛県)
永田 和宏 選
水のドア何度も開ける平泳ぎ別の私がいそうな気がして 小山睦美(和歌山県)
穂村  弘 選
まっしろの金平糖を黒髪におとすぼくらは神話になれる 松浦やも(東京都)
山崎 聡子 選
仁丹の銀の光の謎めけり病弱なりし父の手の平 小出加津代(東京都)
吉川 宏志 選
平然と「知らない人だ」と言う母の娘になれず面会終える 入江みち(愛知県)

特選作品 自由題一席
(選者五十音順)

大森 静佳 選
わたしには確かにきみとわかるから目玉おやぢで帰つておいで 岡本恵(千葉県)
岡野 大嗣 選
夫と手を繫ぐ事多くなりてゆく手摺途切れれば差し伸べられて 治山美智子(岡山県)
川野 里子 選
歩くたび鈴は鳴るなりポケットにわたしがわたしをわすれぬやうに 芝﨑好子(群馬県)
小島ゆかり 選
うめ、さくら、ばら、チューリップくらいしか知らない僕の「あの花」が咲く 弓吉えり(東京都)
三枝 昻之 選
泣き声がロビーに響く嗚呼これは私を父にするファンファーレ 梅鶏(大分県)
俵  万智 選
新三田行きに乗れども新三田見ることはなし未来のごとく 瀬川幸子(大阪府)
永田 和宏 選
故郷でも郷里でもなく「ふるさと」と和語で呼びたき町のありけり 安部優子(神奈川県)
穂村  弘 選
つめたいもあったかいも出る自販機の(あかり)みていた病院の夜 菅谷敏子(東京都)
山崎 聡子 選
スーパーの帰りの橋に妻といて小魚に照るこの世のひかり 芦原学(兵庫県)
吉川 宏志 選
食卓で待つ者もなし ざるの目に詰まったひじきぽちぽちと抜く 根本恵子(千葉県)

NHK全国短歌大会 第25回記念特別賞

  • NHK全国短歌大会 第25回記念特別賞

    はつなつの風渡る部屋大の字になれば私はたった三画
  • NHK全国短歌大会 第25回記念特別賞

    みどりごが両手を合わせようとしてひかりのカスタネットを叩く

近藤芳美賞『百万羽の音』
鈴木れい子(茨城県)

三度目の(とり)インフルの報せあり明日より緊急動員という
わずかなる餌を啄むにわとりの百万羽の音あすは消えなん
ひたひたと夕闇迫りてのひらの芯につめたき空気まとえり
処分へと向かう途中に零れおり白き羽毛がふわんふわんと
数滴の血液混ざり込むような月夜に鶏の処分始まる
水を飲む鶏のあいだを抜けながら鶏を籠めたるケージを運ぶ
健康な鶏もまとめて殺さるる濃厚接触させし挙げ句に
ガス室を前に鶏らの仰ぐ空 生まれてはじめて見る大空か
鶏たちの安楽死とはほど遠しガスを浴びても死ねぬ者居て
出来立ての鶏のなきがら放るとき微かにきゅっと啼き声を聴く
丹頂は手厚く処置をされていた鶏の処分をしている時も
吐く息が数日鶏の匂いせりひと夜鶏舎に作業ののちの
朝夕と巨大鶏舎に無精卵生み続けいし生をおもえり
鶏卵の高値ばかりを世の中は報じていたり梅の散る頃
からっぽの鶏舎に再度あらたなる鶏の飼われる準備はじまる
 

特選作品 自由題二席
(選者五十音順)

大森 静佳 選 俵  万智 選
みどりごが両手を合わせようとして
ひかりのカスタネットを叩く
小野小乃々(和歌山県)
岡野 大嗣 選
思うこと一個も言わない日があって
ビッグエコーの赤色きれい
瀬生ゆう子(神奈川県)
川野 里子 選
手のひらの生命線に赤い蟻
つぶしてもつぶしても赤い蟻
藤村義治(福岡県)
小島ゆかり 選
椋鳥の群れは自在に変形し
夕暮れのプロジェクションマッピング
佐藤英之(栃木県)
三枝 昻之 選
はつなつの風渡る部屋大の字に
なれば私はたった三画
万仲智子(千葉県)
永田 和宏 選
鮟鱇の神輿とならび線量計
あわく灯りて春の雪ふる
古谷眞利子(埼玉県)
穂村  弘 選
タッチでは南ちゃんがキスをした
二段ベッドで熱と寝ている
太田文雄(和歌山県)
山崎 聡子 選
せがまれてまた読み聞かす夫のこゑ
絵本の金魚ごつごつ泳ぐ
田中薫(東京都)
吉川 宏志 選
祖父(おほちち)はみどりごの吾を膝に抱き
写真の外を見上げて笑まふ
二宮史佳(香川県)

近藤芳美賞選者賞・奨励賞 受賞作品タイトル

大辻 隆弘 選※「辻」は一点しんにょう
選者賞やはらかな骨 小金森まき(千葉県)
奨励賞わがクリティカルパス 福島隆史(東京都)
奨励賞夜警 後藤瑞義(静岡県)
栗木 京子 選
選者賞国境離島 船岡房公(滋賀県)
奨励賞幾万の鳥 坊真由美(大阪府)
奨励賞泣き笑い 上田千津子(広島県)
坂井 修一 選
選者賞潮の香強し 吉野佳子(熊本県)
奨励賞たましひに鈴の入つてゐることの 岡本恵(千葉県)
奨励賞母が渡る虹 稲山博司(東京都)

「入選作品集」のお申し込み

第25回NHK全国短歌大会 入選作品集

全入選・入賞作品は『入選作品集』に掲載
一部1,500円(税・送料込み)
2,688首掲載/全116ページ/B5サイズ

申込方法

ネットにてお申し込み

全国短歌大会 入選作品集は https://college.coeteco.jp/live/m1rjc6ql からお申し込みください。

※「コエテコカレッジ」のサービスを利用しています。
ご購入の際は、事前に会員登録(無料)が必要です。

お電話にてお申し込み

①購入希望の作品集名(例:第25回NHK全国短歌大会入選作品集) ②冊数 ③ご住所 ④お名前 ⑤電話番号
入選作品集と合わせて振込用紙をお届けいたしますので、到着後14日以内に代金をお支払いください。

〒186-8001
NHK学園 教材サービス係

電話 042-572-3151(代) 
9:30〜12:00・13:00〜17:30 土日祝を除く

大会当日の様子

晴天に恵まれ、気温が高く夏のような暑さの中、会場のNHKホールには多くの方々にお集まりいただきました。

今年も朗読は加賀美幸子さん。受賞作品をひとつ一つ丁寧に、優しく朗読されていました。

今大会の選者の皆様が一堂に会し、選評が披露されました。

大会の終わりにステージにて、選者と受賞者の皆様で記念撮影。おめでとうございます!

プログラム

日時
令和6年3月30日(土)
午後1時30分 開会 / 午後4時 閉会
会場
NHKホール(東京・渋谷区)
司会
小澤康喬アナウンサー
朗読
加賀美幸子
小澤康喬アナウンサー
開会宣言
永田和宏
特選作品(題詠「平」) 朗読と選評
  • 大森静佳
  • 岡野大嗣
  • 川野里子
  • 小島ゆかり
  • 三枝昻之
  • 俵万智
  • 永田和宏
  • 穂村弘
  • 山崎聡子
  • 吉川宏志
近藤芳美賞 朗読と選評
大辻隆弘※「辻」は一点しんにょう
企画コーナー
投稿作品をAI分析してみました
特別企画
自由題二席の選評会・第25回記念特別賞発表
  • 特選作品(自由題一席) 朗読と選評
  • 大会大賞 発表
  • 次回題詠 「出」発表

第25回 NHK全国俳句大会

NHK全国俳句大会 大賞作品

  • NHK全国俳句大会 大賞作品

    大海に溶けゆく雨を泳ぐかな
  • NHK全国俳句大会 大賞作品

    太陽は平凡な星ふきのたう 先行作品があることが判明したため、
    作者本人よりご辞退された作品がありました。
  • 先行作品があることが判明したため、
    作者本人よりご辞退された作品がありました。

「特選」「龍太賞」
受賞作品

特選作品 題詠「平」
(選者五十音順)

小川 軽舟 選 神野 紗希 選
太陽は平凡な星ふきのたう 佐藤直哉(神奈川県)
小澤  實 選
平家滅びし海の青さよ時鳥 坂本たか子(広島県)
小林 貴子 選
平時とは重き言葉や蟬しぐれ 能田孝昌(愛知県)
高野ムツオ 選
平凡な暮しに蚯蚓鳴きにけり 横田青天子(愛媛県)
夏井いつき 選
水平器の気泡のやうに春眠す 溝口トポル(長野県)
西村 和子 選
胸起こし見張る地平や稚児の春 うーみん(東京都)
星野 高士 選
手の平の力抜け出す暑さかな 島田文代(新潟県)
村上 鞆彦 選
肘枕源平桃の花の下 田中久幸(東京都)
山田 佳乃 選
平がなで話す幼子小鳥来る 清水彩乃(神奈川県)

特選作品 自由題一席
(選者五十音順)

小川 軽舟 選
寒明の開放弦の響きかな 堀瞳子(兵庫県)
小澤  實 選
柿が好き子規も青畝も我が夫も 高田みづ杞(埼玉県)
神野 紗希 選
晩夏光砂浜で聞く子の本音 柏原恵美子(長野県)
高野ムツオ 選
鳥渡る石筍にまたひと雫 古賀睦子(福岡県)
夏井いつき 選
鉾立の横夕刊のバイク押す 花瀬玲(神奈川県)
西村 和子 選
葉桜や静かに人を歩ませて 行澤直子(兵庫県)
星野 高士 選
夕虹を見知らぬ人に教へられ 印出井慶子(東京都)
村上 鞆彦 選
大海に溶けゆく雨を泳ぐかな 木下美奈子(北海道)
山田 佳乃 選
溜息をかたちにからすうりの花 石川理恵(東京都)
先行作品があることが判明したため、作者本人よりご辞退された作品がありました。

龍太賞『甦る』
岡田眞利子(広島県)

遠嶺より雲湧き出づるお花畑
老鶯や石切り出せる谷深く
縁下を風渡りゆく蟻地獄
暮れ初めぬ小鳥葬りし花野より
雁渡し卓に白磁の皿重ね
柿吊す山に飢ゑたる獣どち
曼珠沙華窯の炎の透き通り
箸立に隙間なく箸昼の虫
冬濤のどうと崩るる岬馬
巌頭の羚羊に靄流れけり
枯蘆の根方おびただしき羽毛
冬の蜂磔刑像の足元に
凍蝶の死と見れば翅ゆると立て
抱き上ぐる兎の汚れ冬ぬくし
凍鶴に山河はるかとなりゆけり
 

NHK全国俳句大会 第25回記念特別賞

  • NHK全国俳句大会 第25回記念特別賞

    好きな子の居るかまくらに入れない
  • NHK全国俳句大会 第25回記念特別賞

    すずしさや蠍座の尾は森の中

特選作品 自由題二席
(選者五十音順)

小川 軽舟 選
鹿眠る闇を大きくつつむ闇 師岡洋子(大阪府)
小澤  實 選
好きな子の居るかまくらに入れない 関川謙(千葉県)
神野 紗希 選
扇風機犬の口元めくれをり どすえ輝久(京都府)
小林 貴子 選
新米の力頼もし押し洗ふ 春海のたり(大阪府)
高野ムツオ 選
万蕾を秘めて吉野の山笑ふ 石橋玲子(大阪府)
夏井いつき 選
十二月八日の雪のしほからし 藤雪陽(長野県)
西村 和子 選
虫送り待ちゐる顔の暮れてきし 坂本たか子(広島県)
星野 高士 選
考へのまとまるかたち寒卵 清水宏晏(岐阜県)
村上 鞆彦 選
すずしさや蠍座の尾は森の中 吉田万里子(愛知県)
山田 佳乃 選
春愁と同じ重さのことり飼ふ 熊の谷のまさる(岩手県)

龍太賞選者賞 受賞作品タイトル

井上 康明 選
選者賞山垣 九内千沙(山口県)
岩岡 中正 選
選者賞山の現場 藤村清彦(東京都)
宇多 喜代子 選
選者賞峡十戸 樋口昇る(東京都)
片山 由美子 選
選者賞鉾まつり 市川浩実(東京都)

俳句を学びたい方へ

全国大会をもっと楽しむ
「オンライン選評座談会」
開催決定

「珠玉の選者のトークをもっと聞きたい」
というお声にお応えしました!

6月12日
俳句「自由題」星野高士・村上鞆彦・山田佳乃

詳しくは こちら で公開!

「入選作品集」のお申し込み

第25回NHK全国俳句大会 入選作品集 第25回NHK全国俳句大会 龍太賞 入選作品集

全入選・入賞作品は『入選作品集』に掲載
一部1,500円(税・送料込み)
6,435句掲載/全112ページ/B5サイズ
俳句「龍太賞」部門の入選作品集は1,000円(税・送料込み)

申込方法

ネットにてお申し込み

全国俳句大会 入選作品集は https://college.coeteco.jp/live/8940c7o7
全国俳句大会 龍太賞 入選作品集は https://college.coeteco.jp/live/m331cdn2 からお申し込みください。

※「コエテコカレッジ」のサービスを利用しています。
ご購入の際は、事前に会員登録(無料)が必要です。

お電話にてお申し込み

①購入希望の作品集名(例:第25回NHK全国短歌大会入選作品集) ②冊数 ③ご住所 ④お名前 ⑤電話番号
入選作品集と合わせて振込用紙をお届けいたしますので、到着後14日以内に代金をお支払いください。

〒186-8001
NHK学園 教材サービス係

電話 042-572-3151(代) 
9:30〜12:00・13:00〜17:30 土日祝を除く

大会当日の様子

司会の小澤康喬アナウンサーと披講の中條誠子アナウンサー。大会を華やかに彩ってくださいました。

ステージでは、選者と受賞者の皆様が一堂に会し、大きなスクリーンで受賞作品が発表されました。

ロビーの受講相談コーナーには、多くの方々にお立ち寄りいただきました。写真は専任講師の鈴木章和先生。

大会の終わりにステージにて、選者と受賞者の皆様で記念撮影。おめでとうございます!

プログラム

日時
令和6年3月31日(日)
午後1時30分 開会 / 午後4時 閉会
会場
NHKホール(東京・渋谷区)
司会
小澤康喬アナウンサー
披講
中條誠子アナウンサー
特別メッセージ
宇多喜代子
特選作品(題詠「平」) 披講と選評
  • 小川軽舟
  • 小澤實
  • 神野紗希
  • 小林貴子
  • 高野ムツオ
  • 夏井いつき
  • 西村和子
  • 星野高士
  • 村上鞆彦
  • 山田佳乃
龍太賞 披講と選評
岩岡中正
企画コーナー
投稿作品をAI分析してみました
特別企画
自由題二席の選評会・第25回記念特別賞発表
  • 特選作品(自由題一席) 披講と選評
  • 大会大賞 発表
  • 次回題詠 「出」発表