生きてきたという実感を歌で残す
NHK学園短歌講座監修 永田和宏
歌を作りはじめて50年。自分の人生のなかで、六千首か七千首の歌が残っていますが、自分の時間がこんなに愛おしいと感じられるのは、それらの歌を読み返したときです。
「詠まれた時間」というのは、そのほかの多くの時間とは違う時間であり、歌を詠んだ時間しか残っていないような気がする。
我々は生きて、いずれ死んでいく存在。
その生きた証というとちょっと変だけれど、生きてきたという実感を自分でも持つために、一首でも多くの歌を作って、何らかの形で残す。
やはり、自分の過ごしてきた時間は豊かで、幸せなことだと思うのです。
1947年滋賀県生まれ。NHK短歌講座監修。
歌会始選者。「朝日歌壇」選者。京都大学名誉教授。京都産業大学タンパク質動態研究所所長。
歌人として、細胞生物学者として、日本のみならず世界でご活躍中。
第20回NHK全国短歌大会特選作品~歌の背景とともに~
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