ようおいでたなもし 松山俳句通信【第50号】

久しぶりの「松山俳句通信」です。今回は、伊予鉄道のおはなし。時代の流れとともに移り変わってきた松山駅を伊予吟会宵嵐さんが紹介してくれます。

※「おいでたなもし」とは、松山市の方言で「いらっしゃい」の意味です。

生まれ変わるJR松山駅

日本国有鉄道が松山に到達したのは1927年(昭和2年)。地元の私鉄である伊予鉄道が1888年に開業してから、実に39年遅れての利用開始でした。その歴史的背景もあり、松山市民にとっては伊予鉄道のターミナル「松山市駅」の方が馴染み深く、乗降客数でも今なお大きな差があるようです。
県庁所在地の中心駅としては、どこか控えめな立ち位置だったJR松山駅。戦後の1953年に完成した鉄筋コンクリート造の旧駅舎は、民営化によるJR四国の発足など時代を見守り続け、2024年9月、ついに念願の高架化を果たした新駅舎へとバトンを繋ぎました。

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新しい駅周辺は、今も重機が動き、旧ホームの跡が残る整備の途上です。しかし、新たにオープンした西口によって東西の行き来が可能になったことは、大きな前進といえるでしょう。

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また、待望の「自動改札機」が導入されたことも見逃せません。Suicaなどの交通系ICカードには未対応(切符・QRコードのみ)ですが、中央口と南口に設置された改札機は、新しい時代の幕開けを感じさせます。
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一方で、西口のベンチでお遍路さんが休息する姿を見かけると、近代的な進化とお遍路文化が入り混じり、思わず一句浮かびそうな風情が漂います。
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「エキナカ」も劇的に変化しました。商業施設「JR松山駅だんだん通り」がオープンし、土産物売り場や飲食店が充実。じゃこ天うどんや蒲鉾、塩アイスといった愛媛グルメのほか、種類豊富な駅弁が旅行客を楽しませています。
しかし、発展の陰で失われる景色もあります。駅前で親しまれてきた正岡子規の句碑が、撤去されることになりました。
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「春や昔十五万国の城下哉」

もはや説明不要の子規の代表句です。観光客の記念撮影スポットだったこの句碑は、高さ4メートル、重さ15トンもの立派な緑泥片岩でした。建立から60年以上が経ち、移設すると崩落する危険性があるそうです。この句碑のある場所には伊予鉄道の市内電車の軌道が通る予定とのこと。残念ですが、駅の発展のためには仕方がありませんね。

完成形への道のりはまだ半ばですが、日々姿を変えていくJR松山駅。松山を訪れる際は、この「今しか見られないリニューアルのプロセス」もぜひ楽しんでみてください。


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