【俳句コラム】麒麟流作句法(12)
『NHK俳句」テキストの人気連載「誌上句合わせ」リアル版が、第24回NHK全国俳句大会の特別企画としてNHKホールで実現いたしました。壇上と会場の皆さんが好きな句を選びました。軍配が挙がった俳句の作者は・・。
あなたはどっち?皆で句合わせ
第24回全国俳句大会のステージを生で拝見することが出来ました。
選者の先生方による深くあたたかな句評や会場の熱気を感じて、俳句って良いものだなと胸が熱くなりました。
大会当日のイベントに僕も参加させていただいたのですが、そのために俳句を1句作る必要がありました、大勢の人が見る俳句ですから気合が入ります。
涅槃図を跳び出しさうな白兎 西村 麒麟


大会当日用に「兎」の題で作った俳句です。大会の日程に合う季語を使い、来場されている方々が楽しい心地になってくれそうな表現を選びました。数枚の涅槃図を調べているうちに兎が描かれているものを見つけ、さらに正面を向いていることに気が付きました。
「兎かな」ではやや句が流れてしまうので下五を「白兎」と情報を付け足すことにより句が完成しました。この句は「兎」が題で無ければ出来なかったと思います。
涅槃図に一筆書きの弟子あまた 西村 麒麟
この句は「筆」の題から作りました。一筆書きという中七が浮かんだのは題のおかげです。
涅槃図の奥より我を誘ふもの 西村 麒麟
今度は「誘」の題から。誘わないものが誘った方が句が面白いと考え、涅槃図と合わせました。
見られつつ出て行く蝶や切り暖簾 西村 麒麟
涅槃図以外の句も。これは「みれん」の割句という題です。簡単に説明すると「み〜〜れん」や「みれ〜〜ん」のような形にします、これは表現の制約が強く難しい題です。難しいですが、この句は「蝶」の題から作ることは出来なかったと思います。
俳句は練習や学習によって上達しやすい文学だと思っています。しかし文学であり詩ですから、そこに何らかの偶然性も表現に影響を与えます。題詠を窮屈に感じることもあるかもしれませんが、いつもとはひと味違った俳句が作れるかもしれませんよ。
西村麒麟
1983年生まれ。東京都江東区在住。俳句結社「麒麟」主宰。「古志」同人。第65回角川俳句賞受賞。句集に「鶉」「鴨」。長谷川櫂に師事。現在、NHK学園市川オープンスクールで「西村麒麟・ 俳句塾」を開講中。
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