【シリーズ】秀歌を読もう(1)松村正直

秀歌を読もう(1)

通信講座の添削指導とオンライン教室でご指導いただいている歌人の松村正直さんが、短歌講座機関誌『短歌春秋』に連載してくださっている人気コーナーです。ぜひお読みください。

ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり

永井陽子 『モーツァルトの電話帳』

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上句と下句で反転したように言葉が対称に並んでいる。一首が循環するような構造だ。

漢字が無くひらがなとカタカナだけで成り立っていて、音の響きを純粋に味わうことができる。
 
スペイン南部のアンダルシア地方は、夏に採油用の向日葵が一面に咲く。その風景への憧れが詠まれている。

その意味では、萩原朔太郎の詩「旅上」の「ふらんすへ行きたしと思へども/ふらんすはあまりに遠し」とも響き合う。

 けれども、この歌には〈憧れ〉だけでなく〈諦め〉も同時に含まれている。遠いけれど行きたい、行きたいけれど遠い。作者の心に幾度となく去来した憧れと諦めが、歌の中に永遠に、そして美しく封じ込められている。 

松村正直(R2伊香保)

松村 正直(まつむら まさなお )

歌人・NHK学園短歌講座講師。1970年生まれ。東京都町田市出身、京都府京都市在住。歌誌「塔」元編集長。

 


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