「通信制だからこそリアル教育を重視」
-
N学はこの図書館をはじめ理科室、体育館など、全日制高校と変わらない学習施設が整っていますね。 通信制高校は登校日数が少ない分、目で見て、肌で感じる体感的な教育こそ重要です。
-
通信制というのはあくまで「課程」の違いでしかなく、施設設備や教育内容などは全日制高校と同じであるべきだと考えています。やはりピアノも図書館も欲しいですね。
-
そうした通信制の教育を全国的に提供していくには、協力校の存在が欠かせませんね。
-
N学の掲げる「安心と信頼」の教育は協力校あってこそです。生徒の皆さんには学力を磨くのはもちろん、リアルな高校生活も謳歌していただきたいのです。
-
東京本校では部活動も盛んのようですね。
-
スポーツの分野では全国大会に出場した生徒もいます。学園祭もにぎやかですよ。
-
ところで、広域通信制高校の一つで就学支援金の不正受給という不祥事が起きましたね。 いい加減な授業の実態も明るみに出ました。 これまでも一部に、学業の修得という最も大切な目的を忘れ去って、安易な指導・教育で卒業させる、 卒業証書を売るような実態があることを耳にしていました。悲しさを通り越して呆れてしまいます。
-
そうですね。通信制高校に対する信頼をいかに回復していくかが大きな課題です。
-
賀澤先生はこの度、全国高等学校通信制教育研究会(全通研)の会長に就任されましたね。
-
全通研は、来年70周年を迎える通信制高校の教育研究団体で、その進展と振興を目指しています。 今回は、不祥事を受けて我々通信制高校の在り方を改めて議論しています。 文部科学省では通信制の教育の質を確保し、向上させるためのガイドラインを作成中です。 広域通信制高校の中には、授業を教員資格のない者が行っているという指摘などがありました。 それらを踏まえて、ガイドラインが示されるでしょう。 正規の教員が一定の基準を満たした施設設備のもとで「学習指導要領」に基づいた教育を行って、 はじめて学校と呼べると思います。
-
通信制高校へのニーズがより高まっていますね。 少子化の影響で1999年度から2014年度にかけての高校進学者数は25万人以上も減少しているにもかかわらず、通信制高校の在籍者数は1万人以上も増えています。
-
多様な生き方を求める生徒が増えているのだと思います。 N学の設立当初は、勤労青少年を中心に高校教育を展開していましたが、 現在は働きながら学ぶ生徒は約3割に減りました。 全日制高校に合わない生徒も増えていますし、スポーツや芸術、 芸能の世界で活動している人が高卒資格を目指し、自分の夢と両立させているケースも多くあります。
-
海外に住んでいる人向けの学習コースもありますよね。
-
現在、ニューヨークや上海など世界各地に生徒がいます。 他にも様々な事情で高校に進学できなかった人が入学する場合も多く、 今年の卒業生で最高齢は77歳でした。
-
それはすごい!
-
N学のキャッチフレーズの一つに「人生の忘れ物を取りにきませんか」というのがあるんです。 世代を超えて、実に多様な人達が学びに来られています。
※出典:文部科学省 学校基本調査より