ようおいでたなもし 松山俳句通信【第24回】

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2020.12.21

松山の激レアスポットご紹介

俳都松山のサンタクロースこと伊予吟会宵嵐さんからのプレゼント「松山俳句通信」。最近は、俳句だけでなく短歌も熱く詠んでいらっしゃるとのこと。今回は、電車のお話しです。

 

 

松山城、道後温泉など、松山には色々な名所がありますが、週末になると鉄道ファンが集うマニアックな場所があります。ダイヤモンドクロッシングをご存じでしょうか。

線路が平面で交差する箇所のことをそう呼ぶのですが松山では伊予鉄高浜線(鉄道)と同じ伊予鉄の路面電車が平面交差する非常に珍しいポイントが二か所あるのです。大手町駅では大通りの中央部分で、鉄道と路面電車が垂直に交差しています。なんと路面電車が踏切で、鉄道の通過を待っているです。

私たち地元の人間にとっては見慣れた光景でしたが、県外からファンが押し寄せる現状を顧みて激レアスポットと知った次第です。それだけではありません。松山には、もう一か所ダイヤモンドクロッシングを見られるポイントがあるのです。それは大手町駅のひと駅となりの古町駅です。ここは伊予鉄道の車輛基地になっており、松山で最も電車の往来が多い箇所だと思います。

それゆえに、ここでも鉄道の軌道を路面電車が斜めに横切らざるを得ないのです。私はそこまで鉄道ファンという訳ではありませんが、天気の良い日にダイヤモンドクロッシングを日がな一日眺めて俳句を考えることで、十分満足な一日を過ごすことができることでしょう。

さて、この古町駅には正岡子規の句碑が残されています。 

古町より外側に古し梅の花

 子規

明治25年の句で、寒山落木に収載されています。その時代の古町は商業の中心で、その外側に古い武家屋敷があったということが窺えます。

古町は電車の軌道だけでなく、士農工商の士と商が交差していた場所でもあるのですね。