一首はできた。でも、応募ボタンを押す前に「もう一歩深くできないか」と感じている——そんな方のためのページです。NHK学園のオンライン講座「現代短歌セミナー」ほかのアーカイブから、第28回NHK全国短歌大会の選者たちが推敲の核心を語った5本の講座を、取り組む順番とあわせてご紹介します。入門書ではなかなか学べない、選者自身の言葉によるヒントばかりです。
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あてはまるところから読み始めてください。
5本は、一首を仕上げていく工程の順に並んでいます。①題との向き合い方を決め、②助詞で言葉の関係を整え、③比喩でイメージを磨き、④時制で時間を整え、⑤テーマの深め方を知る。もちろん、気になる1本から見ていただいてもかまいません。
大会に応募する誰もが最初に通る「自由題か、題詠か」。
第26回大会の選者トークでは、大森静佳さん、小島なおさん、佐伯裕子さん、俵万智さん、永田和宏さんが、自由題・題詠それぞれへの向き合い方を語っています。選者がお題をどう受け止め、どんな歌を待っているのか
——応募部門を決める前に聞いておきたい一本です。
自分の歌がどこか平凡に感じる。言いたいことは合っているのに、なぜか心に響かない——。その原因は、助詞の一文字かもしれません。斎藤茂吉や佐藤佐太郎の名歌を素材に、「て」「を」「は」の働きを大辻隆弘さん・永田和宏さん・松村正直さんが読み解きます。
大辻隆弘さん:
「何かこう、ハンドルの遊びみたいなものがふっとできるような感じがする」——てにをはを変えて推敲する楽しさを、こう語っています。
意外なもの同士を結びつければ比喩になる、とは限りません。「比喩の名手」と呼ばれる吉川宏志さんが、ご自身の代表歌の制作裏話もまじえながら、鮮やかに決まる比喩・読者に委ねる比喩・経験に根ざした比喩を語ります。
吉川宏志さん:
「そこの何か細い糸を見つけるというか、それがすごく面白い」——近すぎず遠すぎない、比喩の本質です。
「き」「けり」で終わらせるべきか、現在形のままでいいのか。時制を機械的に合わせると、かえって歌の驚きが消えてしまうことがあります。石川啄木や竹山広の歌を素材に、小島ゆかりさん・永田和宏さん・松村正直さんが時制の使い分けを語ります。
永田和宏さん:
「歌で嘘をついてもいいけれど、時間だけは嘘はつかないで作りたい」——時制に迷ったときの羅針盤になる言葉です。
戦争、感染症、社会問題。ニュースを見て「歌にしたい」と思ったのに、詠むと正論やただの感想になってしまう——。与謝野晶子から現代の歌までを素材に、栗木京子さん・永田和宏さん・松村正直さんが「採りたくなる社会詠」を語ります。
永田和宏さん:
「僕がずっと言ってきたのは、画面の端を見ようという話をしています」——ニュースの正面ではなく、こぼれ落ちるものに目を向けるということ。
この5講で推敲の核心を語った永田和宏さん、大辻隆弘さん、吉川宏志さん、小島ゆかりさん、栗木京子さんは、いずれも第28回NHK全国短歌大会の選者です。講座で語られた視点そのままの目が、あなたの一首を待っています。
自由題でも、題詠「間」でも。推敲を重ねたあなたの一首を、ぜひお寄せください。
投稿締切:2026年11月16日(月)必着(ネット投稿は同日23:59まで)