コラム|NHK学園 生涯学習通信講座

応募する一首を、もう一段磨く——第28回NHK全国短歌大会 選者に学ぶ「珠玉の5講座」

作成者: Admin|2026.7.16

作歌の視点に立って議論し、歌の多様な考えで作ることを学べる「現代短歌セミナー 」のなかでも、今回の第28回NHK全国短歌大会の選者が過去に登壇した、主力の4講座と第26回大会の選者トークを、取り組む順番とあわせてご紹介します。

2023年に開講した「現代短歌セミナー」は、短歌講座監修の永田和宏さん、短歌友の会選者の松村正直さんがホストとなって、毎回一人のゲストを迎え、テーマに基づいてゲストを招き、作歌の現場から議論しそのエッセンスを学ぶ講座です。

シリーズⅠでは、テーマ「意味を詰め込みすぎない」「社会詠をどう詠むか」など骨太な内容で高評価いただいています。 

入門書ではなかなか学べない、選者自身の言葉によるヒントばかりです。

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  • ったら、この順番でおすすめします

5本は、一首を仕上げていく工程の順に並んでいます。

①題との向き合い方を決め

②助詞で言葉の関係を整え

③比喩でイメージを磨き

④時制で時間を整え

⑤テーマの深め方を知る。

もちろん、気になる1本から見ていただいてもかまいません。

推敲の5講

第1講|自由題と題詠、どう向き合うか——第26回大会 選者トーク

大会に応募する誰もが最初に通る「自由題か、題詠か」。

第26回大会の選者トークでは、大森静佳さん、小島なおさん、佐伯裕子さん、俵万智さん、永田和宏さんが、自由題・題詠それぞれへの向き合い方を語っています。選者が題をどう受け止め、どんな歌を待っているのか

——応募部門を決める前に聞いておきたい一本です。

 

第2講|たった一文字で歌が変わる「てにをは」——大辻󠄀隆弘さん

自分の歌がどこか平凡に感じる。言いたいことは合っているのに、なぜか心に響かない——。その原因は、助詞の一文字かもしれません。斎藤茂吉や佐藤佐太郎の名歌を素材に、「て」「を」「は」の働きを大辻󠄀隆弘さん・永田和宏さん・松村正直さんが読み解きます。

大辻󠄀隆弘さん:
「何かこう、ハンドルの遊びみたいなものがふっとできるような感じがする」——てにをはを変えて推敲する楽しさを、こう語っています。

 

第3講|暗喩と直喩 比喩のさまざま~比喩は細い糸ー吉川宏志さん

意外なもの同士を結びつければ比喩になる、とは限りません。「比喩の名手」と呼ばれる吉川宏志さんが、ご自身の代表歌の制作裏話もまじえながら、鮮やかに決まる比喩・読者に委ねる比喩・経験に根ざした比喩を語ります。

吉川宏志さん:
「そこの何か細い糸を見つけるというか、それがすごく面白い」——近すぎず遠すぎない、比喩の本質です。

第4講|過去のことは過去形で詠むべき?——小島ゆかりさん

「き」「けり」で終わらせるべきか、現在形のままでいいのか。時制を機械的に合わせると、かえって歌の驚きが消えてしまうことがあります。石川啄木や竹山広の歌を素材に、小島ゆかりさん・永田和宏さん・松村正直さんが時制の使い分けを語ります。

永田和宏さん:
「歌で嘘をついてもいいけれど、時間だけは嘘はつかないで作りたい」——時制に迷ったときの羅針盤になる言葉です。

 

第5講|社会詠、どう詠めばいい?——栗木京子さん

戦争、感染症、社会問題。ニュースを見て「歌にしたい」と思ったのに、詠むと正論やただの感想になってしまう——。与謝野晶子から現代の歌までを素材に、栗木京子さん・永田和宏さん・松村正直さんが「採りたくなる社会詠」を語ります。

永田和宏さん:
「僕がずっと言ってきたのは、画面の端を見ようという話をしています」——ニュースの正面ではなく、こぼれ落ちるものに目を向けるということ。

あなたの一首を選者たちに 

この5講で作歌の核心を語った永田和宏さん、大辻󠄀隆弘さん、吉川宏志さん、小島ゆかりさん、栗木京子さんは、いずれも第28回NHK全国短歌大会の選者です。講座で語られた視点そのままの目が、あなたの一首を待っています。

自由題でも、題詠「間」でも。推敲を重ねたあなたの一首を、ぜひお寄せください。

投稿締切:2026年11月16日(月)必着(ネット投稿は同日23:59まで)