N学アドバイザーの尾木ママとの対談

N学が朝日新聞の広告特集ページに掲載されました

NHK学園高等学校(N学)は日本初の広域通信制高校として 1963年に開校した。以来50年余り年齢や地域を超え、様々な背景をもつ人たちの大切な学びの場を提供し続け、卒業生は7万人を超えた。 賀澤恵二校長がN学アドバイザーであり教育評論家の尾木直樹さんと広域通信制高校の現状とその可能性について語り合った。

賀澤恵二氏 尾木直樹氏

「通信制だからこそリアル教育を重視」

  1. N学はこの図書館をはじめ理科室、体育館など、全日制高校と変わらない学習施設が整っていますね。 通信制高校は登校日数が少ない分、目で見て、肌で感じる体感的な教育こそ重要です。

  2. 通信制というのはあくまで「課程」の違いでしかなく、施設設備や教育内容などは全日制高校と同じであるべきだと考えています。やはりピアノも図書館も欲しいですね。

  3. そうした通信制の教育を全国的に提供していくには、協力校の存在が欠かせませんね。

  4. N学の掲げる「安心と信頼」の教育は協力校あってこそです。生徒の皆さんには学力を磨くのはもちろん、リアルな高校生活も謳歌していただきたいのです。

  5. 東京本校では部活動も盛んのようですね。

  6. スポーツの分野では全国大会に出場した生徒もいます。学園祭もにぎやかですよ。

  7. ところで、広域通信制高校の一つで就学支援金の不正受給という不祥事が起きましたね。 いい加減な授業の実態も明るみに出ました。 これまでも一部に、学業の修得という最も大切な目的を忘れ去って、安易な指導・教育で卒業させる、 卒業証書を売るような実態があることを耳にしていました。悲しさを通り越して呆れてしまいます。

  8. そうですね。通信制高校に対する信頼をいかに回復していくかが大きな課題です。

  9. 賀澤先生はこの度、全国高等学校通信制教育研究会(全通研)の会長に就任されましたね。

  10. 全通研は、来年70周年を迎える通信制高校の教育研究団体で、その進展と振興を目指しています。 今回は、不祥事を受けて我々通信制高校の在り方を改めて議論しています。 文部科学省では通信制の教育の質を確保し、向上させるためのガイドラインを作成中です。 広域通信制高校の中には、授業を教員資格のない者が行っているという指摘などがありました。 それらを踏まえて、ガイドラインが示されるでしょう。 正規の教員が一定の基準を満たした施設設備のもとで「学習指導要領」に基づいた教育を行って、 はじめて学校と呼べると思います。

  11. 通信制高校へのニーズがより高まっていますね。 少子化の影響で1999年度から2014年度にかけての高校進学者数は25万人以上も減少しているにもかかわらず、通信制高校の在籍者数は1万人以上も増えています。

  12. 多様な生き方を求める生徒が増えているのだと思います。 N学の設立当初は、勤労青少年を中心に高校教育を展開していましたが、 現在は働きながら学ぶ生徒は約3割に減りました。 全日制高校に合わない生徒も増えていますし、スポーツや芸術、 芸能の世界で活動している人が高卒資格を目指し、自分の夢と両立させているケースも多くあります。

  13. 海外に住んでいる人向けの学習コースもありますよね。

  14. 現在、ニューヨークや上海など世界各地に生徒がいます。 他にも様々な事情で高校に進学できなかった人が入学する場合も多く、 今年の卒業生で最高齢は77歳でした。

  15. それはすごい!

  16. N学のキャッチフレーズの一つに「人生の忘れ物を取りにきませんか」というのがあるんです。 世代を超えて、実に多様な人達が学びに来られています。

※出典:文部科学省 学校基本調査より

「通信制高校に教育の原点がある」

  1. 私は不登校生の保護者と日常的に交流があるのですが、 N学はそうした生徒の受け入れに特に力を入れていますね。

  2. この4月には「総合教育相談・学習支援センター」を発足させ、 生徒がいつでも悩みを相談できるようにしています。 スクールソーシャルワーカーの資格を持つ教員の養成も行っており、 教員全員が生徒の心身の問題や家庭事情を考慮し、 社会制度の活用も含めたカウンセリングマインドをもって対応しています。

  3. 素晴らしいですね。そうした取り組みは、通信制高校に限らず、全日制の学校にも求められるものです。

  4. 学習形態では不登校経験者でも無理なく学べる「ネット学習Do itコース」もあります。 生活実習や他者とのコミュニケーションを学ぶ科目など、生徒が社会で自立するために必要なことを学べる 独自のカリキュラムで高卒資格も取得できるんです。

  5. 不登校生の保護者はその子の将来がどうなるかを一番心配されています。 生徒と社会をどうつないでいくかが、学校教育の基本的な役割ですね。

  6. N学では進路指導にも力を入れています。2015年度の卒業生は1111人。 うち現役の進学者数は392人ですから、進学率は35%以上になります。

  7. 広域通信制高校としては高い割合ですね。

  8. この前はN学のためだけに大学や短大、専門学校およそ50校に集まってもらい、 合同説明会を実施しました。 そこに500人以上の生徒・保護者が集まったんです。

  9. そんなにたくさん! 自分の将来と真剣に向き合うことは、成長への原動力にもなるので極めて大切なことです。

  10. 白木志野武さんという卒業生は、N学に入学するまでずっと不登校でした。 じっくりと5年かけて卒業。その後は専門学校に進学し、 今はゲームクリエーターとして立派に自立しています。

  11. 進学や就職が同級生に比べて遅れてしまうと、保護者も不安になる気持ちはよくわかります。 ですが、2年や3年の回り道なんて大したことありません。白木さんのように少しずつ学習を重ね、 自立している方はたくさんいます。大切なのは個人のペースに合わせた教育を提供することだと思います。

  12. 生徒に合わせて様々に教育の形を変えることができることこそ通信制高校の最大の強みです。 一人ひとり個性の異なる生徒を一律のカリキュラムで教育する手法に限界が出てくるのは当然だと思います。

  13. 通信制高校にこそ教育の原点があるんです。 ずっと不登校でも、ふとしたきっかけで学習を再開し、短期間で遅れを取り戻した生徒も見てきました。 それは人間の不思議でもあり、感動的な姿です。生徒一人ひとりに個別の教育を行うN学には、 学校に必要なものが全てそろっています。日本の高校教育のモデルともいえるでしょう。

  14. 多様な生徒に多様な教育手法を用意する。それがN学です。 教員の手厚いサポートもあり、休学してしまった生徒にも目配りを怠らず、復学・卒業を促しています。 焦る必要はありません。将来に希望をもち、自分のペースで歩んでもらいたいです。

N学卒業生の声

ネット学習Do itコースで自分の道を発見

 小学校の低学年から学校に行かなくなり、勉強をまったくしていませんでした。ゲームばかりやって過ごしていましたが、N学で初めて本格的な「学び」と出会いました。学力的なブランクがありましたが、無理なく自分のペースで少しずつ学ぶことができました。  3年生に進級し、進路を考え始めたころに「ライフマネジメント」という科目で「過去の経験を生かすとよい」と教わりました。「それならゲームを作って人を喜ばせよう」と決意しました。  N学を卒業し、専門学校のHAL東京に入学しました。ゲームを作る技術を学ぶこと、毎日欠かさず通うことが目標でした。4年間皆勤賞と校長賞をいただき、卒業できました。  今は株式会社イード(インターネットサービス提供)でスマートフォンのアプリ開発をしています。

※この記事は平成28年9月25日朝日新聞の広告特集の内容を許可を得て掲載しています。