第24回 NHK全国短歌大会 第24回 NHK全国俳句大会

第24回 NHK全国短歌大会 NHK全国俳句大会 結果発表第24回 NHK全国短歌大会 NHK全国俳句大会 結果発表

歌壇・俳壇を代表する歌人・俳人が一堂に会する、年一回の祭典 歌壇・俳壇を代表する歌人・俳人が一堂に会する、年一回の祭典

2023年3月11日(土)・12日(日)
「第24回 NHK全国短歌大会・俳句大会」が3年ぶりにNHKホールで開催されました。
愛好家のみなさまにご来場いただき
短詩型文芸への愛が会場いっぱいにあふれるあたたかい大会となりました。
短歌22,149首(題詠と自由題17,004首、「近藤芳美賞」5,145首)、
俳句42,095句(題詠と自由題35,090句、「龍太賞」7,005句)もの作品を
最年少は4歳、最高齢は105歳という幅広い世代の皆さまから
国内のみならず海外からもご応募をいただきました。
大会終了後に上位作品の紹介を中心とした番組をNHK Eテレにて放送いたします。
NHKとNHK学園では、短歌・俳句の魅力を広く発信してまいります。

第24回 NHK全国短歌大会 
番組の放送予定(NHK Eテレ)

放送日:2023年4月29日(土)
 14:45〜15:44(予定)

大会の模様は、編集して一部ご紹介いたします。

※放送内容や放送日時は特別番組などにより変更・休止する場合がございます。ご了承ください。

第24回 NHK全国俳句大会 
番組の放送予定(NHK Eテレ)

放送日:2023年4月30日(日)
 15:15〜16:14(予定)

大会の模様は、編集して一部ご紹介いたします。

※放送内容や放送日時は特別番組などにより変更・休止する場合がございます。ご了承ください。

第24回NHK全国短歌俳句大会の模様 第24回NHK全国短歌俳句大会の模様
第24回NHK全国短歌俳句大会の模様 第24回NHK全国短歌俳句大会の模様

第24回 NHK全国短歌大会 
プログラム

  • 日程:2023年3月11日(土)
       13:30〜16:00
  • 司会:小澤康喬アナウンサー
  • 朗読:加賀美幸子
  • 特選作品(題詠「千」) 朗読と選評
    出演選者
    • 江戸 雪、
    • 小島なお、
    • 三枝昻之、
    • 笹 公人、
    • 佐佐木定綱、
    • 俵 万智、
    • 千葉 聡、
    • 永田和宏、
    • 東 直子
    • (五十音順・敬称略)
  • 近藤芳美賞 朗読と選評
    出演選者
    栗木京子
  • 企画コーナー「今、分かち合いたい一首」俵 万智
  • 特選作品(自由題一席) 朗読と選評
  • 大会大賞 発表
  • 次回の題 「平」発表

第24回 NHK全国俳句大会 
プログラム

  • 日程:2023年3月12日(日)
       13:30〜16:00
  • 司会:小西政親アナウンサー
  • 披講:中條誠子アナウンサー
  • 特選作品(題詠「千」)  披講と選評
    出演選者
    • 井上弘美、
    • 宇多喜代子、
    • 小澤 實、
    • 岸本尚毅、
    • 阪西敦子、
    • 髙柳克弘、
    • 夏井いつき、
    • 西村和子、
    • 星野高士、
    • 堀本裕樹
    • (五十音順・敬称略)
  • 龍太賞 披講と選評
    出演選者
    高野ムツオ
  • 企画コーナー 「あなたはどっち?   皆で句合わせ」岸本葉子
  • 特選作品(自由題一席)  披講と選評
  • 大会大賞 発表
  • 次回の題 「平」発表

NHK全国短歌大会 大賞作品NHK全国短歌大会 大賞作品

再婚の意味を知る子と知らぬ子が 砂のトンネル開通させる 神谷小百合(埼玉県) 千年を越えて私をかき乱す 期末テストの光源氏よ 赤松みなみ(大阪府) 夕光を使ひ切るまで影を連れ 一人刈り行く千枚田かな 小泉浪士(長崎県)

NHK全国俳句大会 大賞作品NHK全国俳句大会 大賞作品

ほんたうの白になるまで雪しんしん 吉田貴蘭(北海道) 貝寄風や帆柱に貼る千社札 日野久子(兵庫県) 夏の夜や千の皿鳴る地下の街 ありあり(兵庫県)

選者の総評 短歌選者の総評 短歌

自由題・題詠 選者

江戸 雪「西瓜」同人

どれほど明るい場面を表現しても一滴の悲哀をふくんでしまうこの詩型だからこそ、今を生きる喜びや輝きがもっと詠われていいのではないかとさいきん思うようになりました。
うたで互いに勇気を与えられるよう、意味だけでなく言葉の響きや流れに意識をおいてみてはいかがでしょう。あなたのうたの息吹を感じてみたいです。

自由題・題詠 選者

笹 公人「未来」選者

コロナ詠が減った代わりに、戦火のウクライナの人々を思う歌が増えた印象です。介護の歌も多く、私たちがいま高齢化社会の真っ只中にいることを思い知らされました。
題詠「千」は、スケールの大きな歌が目立ちました。時間の不思議を詠んだ歌も多く、自分の現在地について考えさせられ、選歌の手を止めた瞬間もありました。

自由題・題詠 選者

俵 万智「心の花」会員

選んだ歌たちをあらためて見ると、誰もが経験したことのあるような何気ないできごとを、大事に自分なりの言葉でとらえたものが多い。
こうした経験を詩にできるのが、短歌の大きな魅力の一つだ。
暮らしの中から小さな種を発見し、味わい、言葉に紡ぐことは、丁寧に生きることにつながる。

自由題・題詠 選者

永田和宏「塔」選者

題詠「千」は、詠われる対象が狭くなるかと心配したが、多様な歌に出会い、面白く読んだ。
ある漢字ないし言葉が、多様な用いられかたをしているのを知ることは、日本語の豊かさを改めて実感することにもなろう。思いついた素材だけでなく、いろいろ調べてみるのも大切だろう。日常の狭くなりがちな視野を遠くへ飛ばせる一助ともなるはずである。

選者の総評 俳句選者の総評 俳句

自由題・題詠 選者

髙柳克弘「鷹」編集長

戦争や疫病、貧困化――厳しい時代状況を反映した句も多かった。時代を懸命に生きる人々に寄り添う、小鳥としての俳句である。
一方で、超然と時代を越えてはばたく大鷹としての俳句も見られた。たった十七音とはいえ多種多様、小禽も猛禽も飛び交うこの豊穣なる大空が、次の時代にも受け継がれていってほしいと切に願う。

自由題・題詠 選者

西村和子「知音」代表

「俳句にあいにくはない」と口癖のように言ってきたが、単なる天候や都合の良し悪しばかりでなく、疫病によって行動が不自由な時でさえ、ということを改めて知った。
何よりもこの間の作品の充実ぶりが、それを語っている。こんな時期だからこその思いや本音を託した句に、共感を覚え、慰められ、励まされた。

自由題・題詠 選者

星野高士「玉藻」主宰

かなりの数ある俳句の選ではあるが、一句一句から皆さんの心が通じて来て常に緊張感のある時間が却って楽しく充実していた。
また顔が見えない中にも親しみのある句が多かったのも一語一語にこめられた作者たちの熱量の賜。
そしてどこかに新しさのある作品と出会えたのもこの大会の充実度。攻めの句に攻めの選句を改めて思った。

龍太賞 選者

井上康明「郭公」主宰

十五句それぞれ、抑制された描写が表す一句の世界がある。
〈神鶏の声まつすぐに梧桐へ〉〈檜皮葺しとどに秋の黴雨かな〉〈月明にぬれて揺るがぬ一位樫〉〈落日を吸ひて全き熟柿かな〉は、重心低く重厚な韻律に乗って深い季節感を表現する。
〈ここも参道ひぐらしの切通し〉〈今年米ふはりと握る三角形〉は、素描が生きている。

第24回NHK全国短歌大会 自由題・題詠選者
第24回NHK全国俳句大会 自由題・題詠選者

「入選作品集」のお知らせ「入選作品集」のお知らせ

第24回NHK全国短歌大会 入選作品集 第24回NHK全国俳句大会 入選作品集 第24回NHK全国俳句大会 龍太賞 入選作品集

全入選・入賞作品は『入選作品集』に掲載しております。
ご希望の方には、短歌・俳句それぞれ一部1,500円(税・送料込み)で販売いたします。
俳句の「龍太賞」部門の入選作品集は1,000円(税・送料込み)で販売いたします。

申込方法

お葉書または電話で、①購入希望の作品集名(例:第24回NHK全国短歌大会作品集)②冊数③ご住所④お名前⑤お電話番号をご記入の上、
NHK学園教材サービスへお送りください。
作品集と合わせて振込用紙をお届けいたしますので、到着後14日以内に代金をお支払いください。

「入選作品集」お申込先

〒186-8001
NHK学園 教材サービス係

電話 042-572-3151(代) 
9:30〜12:00・13:00〜17:30 土日祝を除く

次回の題と作品募集について次回の題と作品募集について

次回の題は「平」です。
自由題とあわせて、「平」の漢字をいれた作品をお待ちしております。(2023年8月から募集開始予定です)

NHK全国短歌・俳句大会とは

NHK全国短歌・俳句大会は1999年、それまで「NHK学園全国短歌大会」「NHK学園全国俳句大会」として運営していた大会を、NHKとNHK学園の共催としてスケールアップして開催するようになったことが始まりです。東京・渋谷のNHKホールで行われた大会には、短歌と俳句の両日で3,000名を超える愛好家の方々が集まる、大規模なイベントとして定着しました。

NHK全国短歌大会 「特選」「近藤芳美賞」受賞作品の紹介NHK全国短歌大会 「特選」「近藤芳美賞」受賞作品の紹介

特選作品 題詠「千」(選者五十音順)

江戸  雪 選千回を越えて通いし老人ホームひなたぼっこの思い出ばかり楠みや子(東京都)
小島 なお 選千年も万年も生くこの亀に優しい人と記憶されたい佐藤大介(福島県)
三枝 昻之 選しゅっしゅっとかぶら鉋にかけられて千枚漬けは冬を重ねる藤井里美(長野県)
笹  公人 選千冊の哲学書よりなほわれを大人にしたり君との別れ福島隆史(東京都)
東  直子 選佐佐木定綱 選
夕光(ゆふかげ)を使ひ切るまで影を連れ一人刈り行く千枚田かな小泉浪士(長崎県)
高野 公彦 選千年後夢のかけらの宇宙ゴミが土星のように輪になる地球桂 仁徳(福岡県)
俵  万智 選千年を越えて私をかき乱す期末テストの光源氏よ赤松みなみ(大阪府)
千葉  聡 選千冊はこの指でページ繰っただろう私はひとりぼっちじゃなかった簾田淳美(静岡県)
永田 和宏 選千羽鶴、千人針も役立たぬそんな事皆わかっていたのだ小笹岐美子(神奈川県)

特選作品 自由題一席(選者五十音順)

江戸  雪 選まんじゆしやげだしぬけに咲く赤赤とひとは突然きゆることあり遠藤千惠子(神奈川県)
小島 なお 選海へ行くみたいに自転車こいでゆくドラッグストアにもちょっとある海小川洋子(大阪府)
三枝 昻之 選あきまへん、大型店に囲まれて店を閉じます、親父よ御免加藤文男(愛媛県)
笹  公人 選玄関を閉めた閉めない閉めたはず動詞活用みたいな(あした)佐藤一央(静岡県)
佐佐木定綱 選再婚の意味を知る子と知らぬ子が砂のトンネル開通させる神谷小百合(埼玉県)
高野 公彦 選嫁ぐ朝父にもらいし花鋏五十年たち今朝萩を切る後藤初子(岐阜県)
俵  万智 選真空のパックに鋏を入れし時切り身は大きく深呼吸なす近藤則子(宮城県)
千葉  聡 選「用務員さんに挨拶を」新任校へ向かはむわれに父はひとこと鈴木和子(愛媛県)
永田 和宏 選最期まで一人称は『ママ』なりき「ママは幸せだつた」とわたしに村田知子(東京都)
東  直子 選隣室のラジオが聞こえてくる夕べこれから眠る町がふくらむ薄暑なつ(東京都)

特選作品 自由題二席(選者五十音順)

江戸  雪 選口コミのぷーすけさんが見た空を
私も見てる賃貸の部屋
紫音(愛知県)
小島 なお 選Close your eye. 単数に忠実に
夏の瞼を片方閉じる
乃上あつこ(埼玉県)
三枝 昻之 選野放図な亡父だったけど鮎食めば
皿に清しく骨の一本
中尾加代(和歌山県)
笹  公人 選とんぼにも淋しきときのあるらしく
立てたる指にまた来てとまる
岡本光代(兵庫県)
佐佐木定綱 選春の陽を生け捕りにせむベランダに
投網のごとくシーツ干したり
笠原明子(埼玉県)
高野 公彦 選子の部屋の四畳半に間借りする
甕の梅干し木箱の林檎
青山弘子(新潟県)
俵  万智 選再婚の意味を知る子と知らぬ子が
砂のトンネル開通させる
神谷小百合(埼玉県)
千葉  聡 選電線の影をいくつも跳び越えて
海へと走るわたしは夏だ
夏野あゆね(青森県)
永田 和宏 選夕暮れはなぜかさびしい身のうちの
ネアンデルタール人がそう言う
冨田織江(大阪府)
東  直子 選大さじをすり切るときにこぼれゆく
わたしは役に立つてゐますか
岡本 恵(千葉県)

近藤芳美賞息をする文字長野恵梨香(福岡県)

道端に落としたようなカギ括弧雨の降り方少し気にして
通勤の無言片道一時間 聞こえる音だけ拾われている
あの頃の上司の歳になってみて思い出すのは手帳の厚さ
事務職という年月が頼りなく思えた新刊新書コーナー
声高にDXが語られた経済雑誌を棚へともどす
わからないことがわからぬDX失敗事例も知りたい現場
報告書メールで送りそういえば課長の筆跡見たことがない
近頃は電子契約増えており押印逆さにした日は遠く
税額を確認しては貼っていた一万円の収入印紙
転勤も異動もあったこれまでに積んだスキルを見せてください
書架にある古い文書を開くたび手書きの文字が息をしている
クリップの形のままに錆がつき平成一桁稟議書捨てる
朱の色は時間をかけて淡くなり書類にならぶ印影をよむ
リスキリング予算一兆円というななめ読みして研ぐ米二合
涼やかな青空出社の足元は白のオニツカタイガーにする
道端に落としたようなカギ括弧雨の降り方少し気にして
通勤の無言片道一時間 聞こえる音だけ拾われている
あの頃の上司の歳になってみて思い出すのは手帳の厚さ
事務職という年月が頼りなく思えた新刊新書コーナー
声高にDXが語られた経済雑誌を棚へともどす
わからないことがわからぬDX失敗事例も知りたい現場
報告書メールで送りそういえば課長の筆跡見たことがない
近頃は電子契約増えており押印逆さにした日は遠く
税額を確認しては貼っていた一万円の収入印紙
転勤も異動もあったこれまでに積んだスキルを見せてください
書架にある古い文書を開くたび手書きの文字が息をしている
クリップの形のままに錆がつき平成一桁稟議書捨てる
朱の色は時間をかけて淡くなり書類にならぶ印影をよむ
リスキリング予算一兆円というななめ読みして研ぐ米二合
涼やかな青空出社の足元は白のオニツカタイガーにする

近藤芳美賞選者賞・奨励賞受賞作品タイトル

栗木 京子 選
選者賞ターニャさんのレシピ山口 青(千葉県)
奨励賞地には人々渡部ひの(東京都)
奨励賞オリーブ一枝柴田文子(千葉県)
佐伯 裕子 選
選者賞生き癖河竹由利(埼玉県)
奨励賞車窓岡田美幸(埼玉県)
奨励賞平成生まれミラサカクジラ(千葉県)
坂井 修一 選
選者賞カサンドラ山田麻記子(愛知県)
奨励賞円盤形のきのうを見てた重松美智加(福岡県)
奨励賞森の十字架安藤純代(千葉県)

NHK全国俳句大会 「特選」「龍太賞」受賞作品の紹介NHK全国俳句大会 「特選」「龍太賞」受賞作品の紹介

特選作品 題詠「千」(選者五十音順)

井上 弘美 選千枚田みな力抜き冬に入る石川定子(栃木県)
宇多喜代子 選黒塗りの椀の千鳥やお元日直(鹿児島県)
小澤  實 選太箸や祖母の名みどり母千秋加野庸子(神奈川県)
岸本 尚毅 選貝寄風や帆柱に貼る千社札日野久子(兵庫県)
阪西 敦子 選秋雲は千々と錆びゆく観覧車さがたさとこ(東京都)
髙柳 克弘 選千代紙を折つて秋思を小鳥とす平本魚水(広島県)
夏井いつき 選舌頭千転さて鬼灯の鳴らしごろ佐々木一朱実(宮城県)
西村 和子 選千木高し神在月の大社笠原義子(岡山県)
星野 高士 選千万の露ふんで露こはしゆく古賀紀子(福岡県)
堀本 裕樹 選夏の夜や千の皿鳴る地下の街ありあり(兵庫県)

特選作品 自由題一席(選者五十音順)

星野 高士 選井上 弘美 選
ほんたうの白になるまで雪しんしん吉田貴蘭(北海道)
宇多喜代子 選今日の月赤坂で見て家で見て穗積輝子(東京都)
小澤  實 選浴衣ひるがへし太鼓を打ちに打つ友田しげを(東京都)
岸本 尚毅 選屋久島の有線を聞く甘藷畑志々見久美(兵庫県)
阪西 敦子 選噴水の祈りの面隠しけり矢代 秋(熊本県)
髙柳 克弘 選次の風青田を渡り始めけり中村誠之(大阪府)
夏井いつき 選孤独死にあたたかな死後二日かな佐藤直哉(神奈川県)
西村 和子 選白鳥の声の暮色となりにけり永田芳子(山口県)
堀本 裕樹 選ロシア語を学び続けて春を待つ小峯千枝子(埼玉県)

特選作品 自由題二席(選者五十音順)

井上 弘美 選国境を沈めて水の澄みにけり七種年男(岐阜県)
宇多喜代子 選走り根も瘤も馴染みの松手入橘 浩(島根県)
小澤  實 選大嚏の母に死神寄り付かず中西定子(愛知県)
岸本 尚毅 選手を這わす椅子の凹みや柳散る松川美由紀(岡山県)
阪西 敦子 選東京の俺一人減る帰省かな恒川敬代(愛知県)
髙柳 克弘 選鰻重やゆっくり開けるための蓋蜘蛛野澄香(滋賀県)
夏井いつき 選サングラス取りあざらしと見つめ合ふ青木恭子(富山県)
西村 和子 選ひとりには広き縁側盆の月遠藤カオル(岩手県)
星野 高士 選鰻重やゆっくり開けるための蓋蜘蛛野澄香(滋賀県)
堀本 裕樹 選激動の世の片隅を耕せる小田金幸(新潟県)

龍太賞大鳥居雜賀絹代(和歌山県)

神鶏の声まつすぐに梧桐へ
沈金の色なり神の錦鯉
赤子来てゐる本殿の朝涼し
原爆忌ぽつんと社家の日向水
はじめから逃げる構への縞蜥蜴
檜皮葺しとどに秋の黴雨かな
ここも参道ひぐらしの切通し
おもむろに男のひらく秋日傘
月明にぬれて揺るがぬ一位樫
今年米ふはりと握る三角形
良夜かな嬰に喃語といへるもの
鯉の口こぽりこぽりと秋の昼
曼珠沙華蕊ほんぱうに奔放に
落日を吸ひて全き熟柿かな
小鳥来る木の神様の大鳥居
神鶏の声まつすぐに梧桐へ
沈金の色なり神の錦鯉
赤子来てゐる本殿の朝涼し
原爆忌ぽつんと社家の日向水
はじめから逃げる構への縞蜥蜴
檜皮葺しとどに秋の黴雨かな
ここも参道ひぐらしの切通し
おもむろに男のひらく秋日傘
月明にぬれて揺るがぬ一位樫
今年米ふはりと握る三角形
良夜かな嬰に喃語といへるもの
鯉の口こぽりこぽりと秋の昼
曼珠沙華蕊ほんぱうに奔放に
落日を吸ひて全き熟柿かな
小鳥来る木の神様の大鳥居

龍太賞選者賞受賞作品タイトル

井上 康明 選者賞
秋色長田群青(山梨県)
岩岡 中正 選者賞
花蕎麦久保田哲子(北海道)
宇多喜代子 選者賞
風の道田代喜躬子(山梨県)
大串  章 選者賞
狼煙跡山口裕子(福岡県)
高野ムツオ 選者賞
六日くる小都妙子(広島県)

NHK関連情報

連続テレビ小説 舞いあがれ!

「舞いあがれ!感謝祭」で
「舞いあがれ!」短歌募集中!
募集締め切り!3月13日(月)まで

NHK短歌

NHK短歌 4月から番組リニューアル

放送 Eテレ 毎週日曜 午前6時
  再放送Eテレ 毎週金曜 午後2時10分

NHK俳句

NHK俳句 4月から番組リニューアル

放送 Eテレ 毎週日曜 午前6時35分
再放送Eテレ 毎週金曜 午後2時35分